貯金を始めたい人:社会人になって数年が経った。でも貯金が思ったよりできていないな。インターネットを見ると若くして貯金している人が多いみたいで焦る。どうすれば貯金ができるようになるのかな。
タクミです。30歳の都内勤務の独身会社員です。
貯金をしたいけれど、貯めようとしても難しいと感じる人は多いですよね。
私も社会人になってから貯金をすることの難しさを痛感してきました。
参考までに、私の貯金推移は以下のとおりです。社会人3年目までは、貯金ができていませんでした。
◆貯金額の合計の推移
- 社会人1年目:80万円
- 社会人2年目:120万円
- 社会人3年目:100万円
- 社会人4年目:220万円
- 社会人5年目:650万円
特に東京で生活しながら貯金をしようとすると、家賃や食費、交際費など、生活コストが高くなるので、給料の少ないうちは貯金は難しい状態になります。
そこで今回は、私の実体験をもとに貯金500万円は難しいのかについてまとめてみました。
結論としては「貯金500万円は難しいが、達成できたら可能性が広がる」ということです。
これから貯金をしようとしている方の参考になれば嬉しいです。
貯金500万円は難しい?貯めてみてわかったこと。
前提:貯金が貯めやすい人とそうでない人がいる。
まず前提として、貯金が貯めやすい人とそうでない人がいることを意識しておくと「なぜ自分はなかなか貯金ができないのだろうか」と悩まなくて済みます。
◆貯金ができやすい人の特徴
- 実家暮らしで家賃・食費のコストが低い。
- マメに家計簿をつけており支出を管理している。
- 友人の数が少なく交際費のコストが低い。
- 趣味が少なく低コストである。
- 流行りに流されにくい性格の人である。
- 年齢よりも可処分所得が多い。
- 両親・家族からの資金援助がある。
例えば「年収が高い人は貯金しやすい」のはその通りです。
しかし会社都合の飲み会や行事、贈り物に自腹を切る必要がある場合、可処分所得が減ってしまうので貯金は難しくなります。
逆に社宅・家賃補助のおかげで家計の割合に占める家賃を安くできれば、可処分所得は増えるので貯金は非常に有利になります。
また両親・家族からの資金援助があると一気に貯金しやすくなります。
一例として、私の知り合いに社会人5年、10年目の節目に起業家のご親族から1000万円を無条件でもらえる人を知っています。
インターネットや本で「20代〜30代で貯金〇〇万円!」という書き込みを見ると「自分は貯金が少なすぎる・・」と焦ってしまいますよね。
しかし、貯金のしやすさは人によって全く異なります。マイペースに自分の決めた貯金をできるように生活を改善できれば十分すごいことです。
貯金500万円は大型出費を避けて時間をかければ難しくない。
貯金500万円は時間をかけてコツコツ貯金すれば難しくはありません。
例えば22歳で大学を卒業して社会人3年目で貯金500万円を貯めるには、1年間で166万円以上貯める必要があります。
日本の企業に入社した場合、社会人の年収は300万円〜400万円の間がほとんどですので、年間20%の貯金ができても、年間60万円〜80万円となり、25歳で500万円貯金は難しくなります。
もし高校・専門学校を卒業して18歳〜20歳で仕事を初めることができれば、25歳までに5〜7年間働けるので、500万円に到達する人もいると思いますが、それでも500万円を貯めるのは大変です。
しかし25歳ではなく、30歳までに貯金500万円を貯めるのであれば、大学を卒業して社会人8年目で480万円〜640万円の貯金ができるので、貯金500万円を突破できます。
その一方で、20代のうちに高級車を購入したり、結婚して子育ての資金やマイホームをローンで購入した場合には、貯金500万円を貯めることは難しくなります。
30歳までに貯金500万円を貯めるには 大型出費を避けて社会人として5〜7年以上働く時間を取れれば、そこまで難しくはありません。
貯金を始めるときは「何歳までに貯金〇〇円を貯める」という年齢を目標にしがちですよね。しかし、上記のように社会人になる年齢は人それぞれ異なるので「社会人〇〇年目までに貯金〇〇円を貯める」という目標の方が達成しやすくなります。
例えば私の場合、4年生の大学を1年留年して卒業した後、さらに大学院に2年間通っていたので、社会人になったのは25歳です。
この場合、18歳で社会人になって貯金を始めている人と比較すると7年間の差があります。そのため、年齢ではなく社会人歴に対していくら貯金をできたのかを考えることで貯金のモチベーションを下げずに済みました。
貯金500万円を貯めてみてわかったこと。
冒頭に書いたとおり、私は社会人5年目に貯金500万円を超えました。しかし社会人4年目までは貯金100〜200万円の間を推移していました。
貯金500万円を超えてみてわかったことは「お金の不安が大きく減少した」ということです。
◆貯金500万円を超えてお金の不安が大きく減少した理由
- 会社を休職・退職して無収入でも1〜2年間は現在の生活水準を継続できる。
- 資産運用・副業資金など、余剰資金でお金を増やす行動にチャレンジできる。
- 車・高級腕時計の購入・豪華な海外旅行・タワマン引越しなど贅沢ができる金額である。
貯金が500万円あると、生活費を稼ぐために会社に依存する気持ちが減少します。仕事がうまく行かなくても貯金があれば、転職活動までの時間、食いつなぐことができます。
貯金500万円あると、資産が増減するリスクがある株式投資を余剰資金で始めることができます。また稼げるか分からない副業の初期費用・維持費用を負担することも苦ではなくなります。
貯金500万円あると、世の中の欲しいものは購入・体験できるようになります。不思議なことに「貯金があるからいつでも購入できる状態」になると、憧れだった欲しいものを手に入れたい欲求が減少します。
上記のように貯金500万円を超えてくると、お金の不安が大きく減少します。区切りがいい数値として貯金1000万円がありますが、これは時間がかかりますし人によっては難易度が高いので、500万円を目標にすると良いと思います。
貯金は多い方がいいが、何のために貯金するのかを考える必要がある。
ここまで、貯金500万円を貯めるのはそこそこ難しいものの、時間をかければ達成可能で、貯金500万円を超えるとお金の不安が減少することを書きました。
しかし私がもっとも貯金を意識してよかったことは「何のために貯金が必要なのか」を真剣に考える習慣が身についたことです。
例えば、何となくお金の不安を解消したいという気持ちで「貯金を〇〇円貯めたい」と目標を立てても実現は難しいです。なぜなら「なぜ〇〇円の貯金が必要なのか」が明確でないからです。
また貯金をすることで失うものがあります。それは「お金を使うことで得られる体験」です。
「お金を使うことで得られる経験」は年齢が若いうちの方が簡単に得られますが、歳を重ねるごとにその価値が減少していきます。
例えば「ミシュラン星付き・高級レストランに行く」「高級ホテルに宿泊する」「海外旅行でヨーロッパの絶景を見る」という「お金を使って得られる経験」は、年齢問わず素晴らしいです。
しかし、例えば「新卒時代に貯金を崩して1食4万円の鉄板料理に行った」ことで得られた感動は、「30歳で余剰資金で1食7万円の3つ星フレンチに行った」感動よりも上回ります。
このことから、お金を使った金額に応じて感動が大きくなるわけではなく、例え年収や貯金が少なくても、背伸びして身分不相応な環境に飛び込んだ方が満足度が高いということです。
そのため、私も大学生の頃に戻れるならば、バイト代を月に5000円ずつ貯めて、半年に1回高級レストランに行っていれば、より一層感動が大きくなったと考えています。
このように、お金を使って得られる経験には賞味期限があります。
私は24歳の頃は家系ラーメン大盛りを平らげていましたが、20台後半からこってりとしたラーメンは食べられなくなっています。ですからフレンチフルコースも、いずれお腹いっぱいで満足度が下がると考えています。
貯金をする目的が「将来のお金の不安を減らすため」であれば良いのですが、もし「欲しいものがあるので貯金している」場合には、そのやりたいことが「年齢はいつまでにやりたいのか」「いくら必要なのか」を明確にすることで、貯金のモチベーションに繋がります。
せっかく目標の貯金額が貯まったときには、やりたかったことは旬を過ぎていたという悲しいことにならないように「何のために貯金をしたいのか」という目的を明確にしましょう。
まとめ。貯金500万円を貯めるには「何のために貯金をするのか」を明確にしよう。
今回は会社員の私が貯金500万円を貯めるまでに考えてきたことをまとめてみました。
貯金をするのは素晴らしいことです。
この記事に書いたとおり、貯金500万円を超えるとお金の不安が減りますし、何より資産運用や副業など、新しいことにチャレンジするのが苦ではなくなるので、より一層、貯金が増えていく可能性が高まります。
とはいえ、貯金をする上でのトレードオフについても真剣に考えましょう。
お金は使ってから価値が出るものです。貯金をするということは、そのお金を使って得られる経験を諦めることになります。
良くある格言ですが、いつまで経ってもやりたいことができずに後悔する人がいる理由は以下の通りです。
- 学生は「時間」「体力」はあるが「お金」はない。
- 社会人は「お金」「体力」はあるが「時間」はない。
- 老後は「お金」「時間」はあるが「体力」はない。
このうち、貯金ができるのは「社会人」の間になります。
しかし、老後は体力がないことを考えると、貯金をしながらお金を使って得られる経験をしないと、貯金額が増えることだけを楽しみにする人生になってしまいます。
今回の記事では貯金500万円を一つの指標にしています。
しかし、私は「貯金だけを目標にして一度きりの若い時代を無駄にしない」ようにして欲しいと考えています。
貯金目標は時間をかければ、いつかは到達できます。無理せずマイペースに「何歳までにいくら貯めたいのか。貯金よりも優先してやりたいことはないか」を考えてみるのはいかがでしょうか。
貯金をする目標さえ明確になってしまえば、金額にかかわらずいつかはお金が貯まるようになります。