シンプル都心ライフ

都内で働くITエンジニアの都心ライフ。主要キーワード:大学院/TOEIC/就活/都心ライフ/ホテル/SPG/米国株投資/副業

書評『限りある時間の使い方』が素晴らしい!ひろゆき氏推薦の名著!

f:id:steveperry1373:20220702125737j:image

タクミです。

 

今回は2022年6月22日に販売されたばかりの『限りある時間の使い方』という本を読んでみました。

 

本書を読んだ理由としては「時間を効率的に使う方法を知りたい」というシンプルな理由でした。しかし本書を読むと「時間を効率的に使う」という概念を考えさせられました。

 

本書では、主に「余暇の時間の使い方」について触れています。

 

「せっかくの休日なのだから、仕事に役立つ資格を取ったり、新しい経験をして有意義に使おう」と思っている、意識が高い方向けの本です。

 

 

 

書評『限りある時間の使い方』が素晴らしい!ひろゆき氏推薦の名著!

人生は「4000週間」しかない

著者は「普通の人の人生は4000週間しかない」と述べています。

 

これは80歳まで生きた場合を想定しており、実際に計算すると、もうすこし多い「4160週」になります。

 

運が良ければ90歳まで生きて「4700週(実際には4680週)」になることを考えても、「人生は有限である」ということがわかります。

 

ちなみに私タクミは、31歳と7ヶ月になります。31年で「1612週」、7ヶ月で約「30週」生きています。

 

合計「1642週」も生きているので、すでに人生の「40%」を生きてしまったことになります。

 

話を戻すと、これだけ短い人生の中で「いかに時間を有効活用するか」が非常に重要になってきます。

 

しかし、著者の主張は「有効活用するのではなく、自分の好きなことに没頭しろ」と本書で述べています。

 

時短家電やITで便利になっても時間は増えない

著者は、時短家電やITで便利な世の中になった現代においても「時間は増えていない」ということを述べています。

 

なぜなら、今までよりも効率的にできるようになると、すぐにそれに慣れてしまい、「時短なのが当たり前」になってしまうからと述べています。

 

例えば洗濯機が発明されたことで、1日中かかっていた手洗いが数時間で終わります。さらに上位のドラム式洗濯乾燥機を使えば、時短はできないまでも、自分の代わりに洗濯乾燥を自動で終わらせてくれます。

 

私もドラム式洗濯乾燥機を使っていますが、本当に便利です。洗濯の時間をブログや読書にあてることができ、本当に買ってよかったと実感しています。

 

しかし、将来的にドラム式洗濯乾燥機の普及率が50%を超えるようになったらどうでしょうか。「ドラム式を使うことが当たり前」な訳ですから、自分だけが時短しているという概念もなく「今よりも、もっと早く洗濯乾燥ができないかな」と不満が出てくると思います。

 

同じようにIT技術が発達して、今では世界中どこにいても仕事ができるようになりました。

 

メールのチェックは24時間できますよね。1時間に3通のメールを処理するだけでも手一杯なのに、年々情報量が増えており、1時間に30通〜40通も処理しないといけなくなった場合、むしろ今までよりも仕事に時間を取られるようになります。

 

結局は便利な世の中になっても、その恩恵を受けるのは自分だけではないため、今までと変わらない、もしくは今まで以上に膨大な量の仕事をこなす必要性が出てきてしまうのです。

 

余暇の時間ですら「仕事のために」なっていないか。

本来、余暇の時間の使い方は個人の自由であった、と著者は述べています。

 

しかし、最近では「余暇をとる理由は、体を休めて仕事に専念するため」という捉えられ方をしていると述べています。

 

つまり「休日も仕事に関する勉強に時間を使うこと」こそが「正解」のような世の中になってしまい、「生産性のない個人の趣味」は「不正解」のようになってしまっているとのことです。

 

これは、私タクミ自身が痛感しています。新卒時代から休暇の使い方といえば「会社で使う資格試験の勉強」、もしくは「お金を生み出すための副業」という意識が強く、たまに飲みに行ったり旅行しているときも、仕事のことを考えたりと心が休まりませんでした。

 

最近では、幼少期からやっていたクラシックピアノを再開したことで、少しずつ「余暇を自分の趣味の時間に使う」ことができるようになってきましたが、いまだに「空き時間はブログを書くことに専念しよう」という気持ちが湧いてしまいます。

 

本来、余暇の時間は自由時間だ、ということに戻ると、たとえどんなに生産性を高めて休日を過ごしたとしても、いつまでたっても「自分の好きなことに時間を使えない」状態になってしまいます。

 

休日の予定を朝から晩まできっちり計画して、その通りに実行する。なんなら本業のスケジュールよりもきっちり予定通りこなす、というのは、一見素晴らしいことに見えて、「生産性を高めることだけに人生の目的が持っていかれてしまう」という問題があります。

 

このように、いつの間にか「余暇の時間」までもが「仕事の効率を最大限に高める活動をする」ことに使われてしまっていることを、著者は危惧しています。

 

「完璧主義」になっても、絶対に完璧にはなれない

著者は、このような時代には「やるべきことが0になることはない」ということを主張しています。

 

先ほどのメールの返信ひとつとっても、受信ボックスのメールに片っ端から返信しても、次から次へと新しいメールが降ってきます。

 

これを完璧にやろうとしたら、メールの返信だけで1日が過ぎてしまいます。本来はより難しい課題に対して、解決策を考えるべきだったはずが、メール対応という雑務で終わってしまう訳です。

 

完璧に仕事をこなそうとしても、仕事は無限に膨らんでしまう。それならば「そもそも完全に仕事をこなすことは、最初からできっこない」と考える方が健全だと述べています。

 

今やるべきことに集中する

著者は、将来の不安を考える時間は、いくら使っても不安が減らないということを本書で述べています。

 

例えば、重要なプレゼンがうまくいくか、旅行なら電車や飛行機の時間に遅刻せず行けるか、子育てはうまくいくのだろうか、など、将来のことはいくら考えても不安が尽きないものです。

 

しかし、結果がどうなるのかを事前に予想するのは難しいことです。せっかくの時間を将来の不安を考えることに使うなら、「今やっていることに集中する」ことを著者はお薦めしています。

 

これは、多くの本でも書かれていることですね。目の前の作業に「没頭」することができれば、時間の概念はなくなり、将来の不安を考える無駄な時間もなくなります。

 

とはいえ、人間の脳は「気を散らせたくなる」性質があるようです。仕事をしていてもついついTwitterやメールボックスを開いたり、趣味の時間を楽しんでいても、別のことをやってしまうこともあるでしょう。

 

例えば、観光名所に行ったのに、目の前のものを観察するのではなく、スマホの写真や動画撮影をすることばかりに時間を使うのはどうなのかと著者は述べています。

 

仕事でも趣味でも、なんでも良いので「没頭できる」ような習慣を持つことができれば、時間の感覚から解放されるようです。

 

人生の目的はそもそもない

著者は「そもそも人生の目的はないのだから、もっと余暇の時間を好きなことに使うべきだ」と述べています。

 

少々、過激かもしれませんが、確かに私たちが今生きている理由は、誰にもわかりません。たまたま自我が芽生えたら、周囲の人に囲まれて生きていた、というだけの話です。

 

しかし、人間には「自己中心性」があるようで、誰しもが「自分は特別な人間だ」と思い込みたくなってしまうようです。

 

それが原因となって、「人生には目標が必要だ」ということになり、逆にいえば「目標のない人生なんて意味がない」という考えになってしまうのだと著者は述べています。

 

それならば、そもそも「なぜ自分が生まれたのかはわからない」のだし、「自分は平凡な人間」であることの方が、多くの人には当たり前なので、「自分の好きなことにもっと時間を使おう」ということを述べています。

 

まとめ。『限りある時間の使い方』は何回も読み直したい名著

今回は『限りある時間の使い方』という本を読んでみたので、その感想をまとめました。

 

本書では、心理学者や著名な作家の言葉を、過去の歴史を踏まえて丁寧に解説してくれています。

 

非常にボリュームがあり、休日に2〜3時間を作ってじっくりと読み返してほしい本です。

 

今回はブログなので、ほんの一部を紹介しましたが、他にも心に残った記載を簡単に引用されていただきます。

 

  • 美術館でひとつの絵を3時間みる訓練→やることが多過ぎて忙しい人が、1つの絵を3時間もみ続けるとどうなるのか、というエピソード。ハーバード大学の授業にあるようです。
  • スマホの「グレースケール」モードの活用:実は私も今まさに設定しています。グレースケールに設定して、カラーを無くすと、SNSなどに気が散る時間が減るかもしれない、とのことです。

 

本当に情報量が多い本ですが、文体は非常に読みやすく、また日本人のわたしたちにも馴染みがあるテーマなので、ぜひ一読してみてください。