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書評「いい会社はどこにある?」を30代会社員が読んでみた

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タクミです。

 

今回は「いい会社はどこにある?」という本を読みました。

 

 

転職を考える20代、30代の方にとって、本当に今の会社から転職するのか、悩むところですよね。

 

転職はエネルギーが入ります。大手企業に転職を検討する人は、学歴も社歴も良い場合がほとんどですから、元々在籍している会社も大手だったりします。

 

本書は、大手企業をメインにして、筆者が18年間の生々しい取材で知り得た内容を公開しています。

 

これから大手企業に転職したい人や、今、在籍している会社の待遇や働き方を客観的に分析するためにも、本書は役立つと思います。

 

ということで、本書をご紹介します。

 

 

 

書評「いい会社はどこにある」を30代会社員が読んでみた

注意点:最大手企業がメインなので、既に大手企業にいる人向け

最初に注意点ですが、本書は各業界の年収、福利構成、年間労働時間、離職率、風通しの良さなど、非常になまなましい情報が公開されています。

 

そのため、該当する企業にお勤めの方にとっては最高に有益な情報ですが、それ以外の方にとっては、「大手企業はこんな感じなのか」という情報収集にしかならないと思います。

 

あくまでこれから就職活動をして大手企業に行きたい学生、大手企業で働いていて転職を考えている方向けの本かと思いますので、注意してください。

 

本書のメリット:具体的な待遇がわかる

本書の最大の特徴は、800ページ以上に及ぶ膨大な情報量で、日本の大手企業の待遇や福利厚生、働きやすさなどを公開している点です。

 

口コミサイトのレベルでは知り得ない、実際に働いている社員に対する取材の情報をもとにしているので、情報の正確さが売りです。

 

また30歳、35歳時点での手取り年収など、具体的にグラフで解説している点も面白く、自分が今どの位置にいて、転職先の企業とは何が違うのかを知ることができます。

 

例えば、IT企業からコンサルに転職する人の場合、全く異なる性質のグループに移動することになりますから、一気に環境が変化することが考えられます。

 

一方で、日系機械メーカーから日系食メーカーに転職しても、大きく分類が変わるわけではない、ということが本書からわかるので、感覚ではなく視覚的に、どのような転職になるのかを理解することができます。

 

これから就活する方、第二新卒の方であれば、希望していた企業がどのような立ち位置になるのかを知ることができます。

 

激務というのは年間どのくらい残業することなのか、残業時間以上に上司の詰めがきつい職種はどこなのか、など、就活中はOBOG訪問でしか知り得ない情報を知ることができます。

 

ボリュームは800ページ以上と大変多いのですが、2,000円以下で購入できるという破格の本ですので、学生の方でも手に取りやすいと思います。

 

35歳の手取り年収のグラフは役に立つ

本書は「会社員として働くうえで、どのようなライフスタイルを送れるのか」についても言及しています。

 

例えば、35歳の手取り年収のグラフはぜひみていただきたいです。通常は「年収」に焦点が当てられますが、税金を支払った後に手元に残る「手取り」こそが、生活レベルに直結します。

 

35歳といえば、大学院卒でも10年間仕事をして、中堅社員になった頃です。仕事も覚えて部下もいるし、体力もまだあるような脂の乗った年齢です。

 

その時に、いくら手取り年収がもらえるのかで、生活水準は全く変わってきます。

 

憧れの会社に入社したものの、思ったより手取り年収が低い、となると、独り身ではなんとかなりますが、家族を持った時に収入が悩みの種になってしまいます。

 

本書では、40代〜50代の給与カーブについても述べられていますが、これから年収が伸びている20代〜30代の方にとっては、中間地点の35歳くらいのタイミングで、どのくらいの年収がもらえるのかは非常に重要な数値になります。

 

一読して損はないと思いますので、20代〜30代前半の方に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

まとめ。いい会社を探してみよう

私は今在籍している企業に大きな不満はないのですが、それでも他社に転職できた方が、より待遇は良くなるケースもあることを実感しています。

 

今回、本書を読んでみたところ、転職ができたとして待遇は大きく増えるものの、残業時間が今以上に増えることが予想されます。

 

そこまでして本当にお金を狙いに行くのか、それともお金よりも時間を大切にして、今の環境を維持できるように努力するのか、じっくり考えたいと思います。

 

多くの方にとって、転職で一発逆転というのは夢がありますよね。しかし実態としては、今いる会社で部署が異動となっただけで、働きやすさは大きく変わります。

 

激務ブラックと言われる企業でも、ホワイトな部署はありますし、ホワイト企業ランキングで常連の企業でも、連日休日出勤のような部署や、上司の詰めがキツい部署ももちろんあります。

 

転職に過度な期待をするよりも、まずは今の職場で改善できることはないかを検討する方が、良いかと思いますが、それでも他社がどのような環境で働けるのかを知っておいて損はありません。

 

もし、本書の中で、あなたにとっては最高の環境の会社があれば、思い切って転職活動するのもありです。

 

もしくは私のように、今在籍している会社が恵まれているんだ、ということを再確認できるかもしれません。

 

ぜひ、本書を一読して、いろいろな大手企業の働き方について知ってみてはいかがでしょうか。