堀江貴文さんの『自分のことだけ考える』の書評。
800円程度と、いままでの1500円前後の価格帯からした安めであったので、サクッとよんでみました。
堀江貴文『自分のことだけ考える』を読んだ書評。
堀江さんの本の主張は一貫している
タイトルは挑戦的ですが、本の内容はいたって普通の書きぶりで、8割くらいは過去の本と同じ。
- 周りを気にするな。人の気持ちはわからないのだから。
- 好きなことを極めろ。お金稼げるようになるから。
- 死ぬことを忘れるために一生懸命忙しくいきろ。ライフワークバランスを考えるな
- 炎上することをおそれるな。思ったことを伝えることを恐れるな。
堀江さんの本を初めて読むならオススメです。
ノウハウ系の本ではなく、炎上したりバッシングをうけたのに、見事に社会的に復活するまでの堀江貴文さんの考え方がまとまっています。
堀江さんの考えを全て納得しなくても良い
堀江さんの本を読んでおもうことはいつも同じ。
「ある程度、自分で稼げるチカラのある人しかできないなあ」
ということ。
堀江さんが周囲を気にせず自分の思いどおりに発言したりできるのは、「いつでもお金を稼げる力があるから」です。
例えば「恥を捨てろ」という項目が本に記載されています。お金がないならシェアハウスでもなんでも住めば負担額のおおきい家賃がへる。世間体などのプライドを捨ててボロボロの家でも良いじゃんということ。
しかし、実際に堀江さんはホテル暮らし。プライベート0のシェアハウスや、築数十年以上のアパートには住んでいません。
一度、刑務所から出所した際に、全てを失ってこのような生活水準を経験したならまだしも、今の生活と言動にギャップが大きいので素直に入ってきませんでした。
話は逸れますが、2ch創設者のひろゆき氏は億万長者になっても東京北区の赤羽に家賃10万円以下の部屋で生活していたようです。YOUTUBEでも「高い家賃を払うやつはバカ」と過激な発言をしています。
しかし、実際にひろゆき氏は一般の方と変わらないクオリティの部屋に住んでいるのであれば、発言の信ぴょう性はありますよね。
さて、話をもどします。もちろん本書を読んで役立つ部分はあります。
「子供の頃から真面目に生きてきた人は、これを読むと楽になるんだろうな」
ということ。
一部ノウハウのような部分として「他人からの評価やバッシングを気にしない方法とは」とありますが、いたって他の心理学に書かれているような普通のことが書かれています。
「他人からのバッシングを気にしない」はアドラー心理学がベース
堀江さんが実践している他人を気にしない方法はごくごく普通の心理学と書きました。実際にはアドラー心理学をベースとしているようです。
とはいえ、アドラーの心理学をもとに、堀江さんなりに実生活でどう考えれば周囲が気にならなくなるのか、が具体的に書かれています。
アドラー心理学の実践版。一般人ではなく有名人バージョンという形でしょうか。
堀江さんが好きなひとは、楽しく読めると思います。
大ベストセラー「嫌われる勇気」はアドラー心理学をストーリー調でわかりやすく解説しています。
堀江さんの本の価値は「一般人離れした行動力とタフさ」
この本の価値は、というよりも堀江さんの書く本の価値はいつも同じです。堀江さん自身の魅力やブランディングがあってこそ、その発言に重みがあるのです。
- 社会的に抹殺されそうな逮捕という前科があるのに、なぜいまだに活動できているのか
- 一般人が学校や会社での小さなコミュニティの人間関係で悩んでいるのに、なぜ日本中からバッシングされた堀江さんは平然としていられる精神力があるのか
- どうやって億万長者になったのか。堀江さんと一般人の違いはなにか
堀江さんも普通の人間だった。悩みを解決する方法は一般人と同じ
堀江さんは「僕も普通に悩むこともあったけど、いろいろと試行錯誤して考えることで気にしなくなった」とあります。
もともと特別にバッシングに強い人ではないけど、堀江さんなりに工夫して、バッシングを気にしなくなったそうです。
億万長者で前科があり、賛否両論の堀江さんですが、バッシングを気にしなくなるまでの実話をもとにした彼なりの考え方は、一般人の私たちにも適用できるものです。
「学校や会社のコミュニティで人間関係に悩んでいる」
「堀江さんのような豪快な生き方に憧れる」
こんな方にオススメします。逆に心理学や自己啓発などを読みあさっている方には、とくに目新しいことはないかもしれません。
今までの堀江さんの本と比較して安いので、興味のある方は手にとってみてください。