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書評「精神科医が見つけた3つの幸福」を30歳会社員に当てはめてみた。

 

タクミです。

 

樺沢紫苑さん著書「精神科医が見つけた3つの幸福」を読んでみました。

 

樺沢紫苑さんの本は、過去に「超時間術」を読み、時間の使い方を学んだことがあります。

 

今回は、幸福論ということですが、スピリチュアルではなく、人間が幸福を感じるホルモンをどのように出していくかの方法が具体例として書かれています。

 

内容については本書でチェックいただければと思いますので、今回は30歳会社員の私が「精神科医が見つけた3つの幸福」を読んで、学んだことをまとめました。

 

 

 

書評「精神科医が見つけた3つの幸福」を30歳会社員に当てはめてみた。

1:幸福を感じるホルモンは3種類ある

本書では、幸福を感じるためのホルモンを3種類紹介しています。

 

ざっくり紹介すると以下の分類です。

 

  • ドーパミン:成功・お金
  • オキシトシン:つながり・愛
  • セロトニン:心と体の健康

 

人間のホルモンは他にも数百種類ありますが、今回は「幸福を感じるためのホルモン」とわかりやすく定義しているため、大まかに3種類に分解されています。

 

本書の主張は「どのホルモンも重要だが、以下の優先順位を守ることが重要である」と述べています。

 

 

2:幸福を感じるホルモンには優先順位がある

著者は、3種類のホルモンはどれも幸福を感じるために重要なホルモンですが、その優先順位には気をつける必要があると述べています。

 

セロトニン>オキシトシン>ドーパミン

 

しかし、実態として人は「ドーパミン」的な幸福を求めがちになり、そのためにオキシトシンやセロトニンを蔑ろ(ないがしろ)にしているので、幸福を感じにくいと述べています。

 

ここからは私の主観ですが、よく日本人の幸福度は低いという調査結果がありますよね。

 

この調査結果は、日本人の「自分だけ幸福と感じるのは申し訳ないから幸福度を低めに言う」という控えめな気持ちが出た結果でもあると思います。

 

しかし、それ以上に「仕事が第一、家族や健康は二の次」という少し前に流行していた「24時間働くモーレツ社員」的な働き方が原因になっていると思います。

 

仕事を第一優先にすれば「ドーパミン的幸福」である「お金・地位」は手に入ります。

 

しかし、その一方で「オキシトシン的幸福」である「家族や友人との時間」や、「セロトニン的幸福」である「健康な食事、十分な睡眠」を犠牲にすることになります。

 

本書の主張としては、まずは「セロトニン的幸福」「オキシトシン的幸福」を満たした上で、「ドーパミン的幸福」を目指すことが良いと述べています。

 

 

3:セロトニン的幸福は「爽やか」「リラックス」

セロトニン的幸福は「爽やか」や「リラックス」した状態を指します。

 

十分な睡眠を取れた休日の朝や、朝日を浴びながら自然の中を散歩した日は、爽やかでリラックスした状態を感じることがあります。

 

近年は「瞑想」「マインドフルネス」も流行っています。これは「ヨガ」に近いもので、心や思考に集中し、雑念をなくすことで集中力、幸福度を高めるものです。

 

セロトニン的幸福を犠牲にすると「睡眠不足」「栄養不足」「運動不足」になり、不健康で病気、メンタル不調が起きやすくなります。

 

健康は失う前に「予防」することが非常に大切です。

 

いくら学業で成功し、お金持ちになり社会的地位があっても、病院で寝たきりになっては幸福を感じにくいからです。

 

著者は、幸福を感じるには、一番下の土台として「セロトニン的幸福」を満たすことが重要と述べています。

 

4:オキシトシン的幸福は「つながりによる安心感」

セロトニン的幸福を満たしたら、オキシトシン的幸福を満たす必要があります。

 

オキシトシン的幸福は、人とのつながりで感じる安心感のことを指します。

 

家族、友人、職場の人間関係、趣味の仲間など、あなたの周囲の人間関係が良好であれば、オキシトシン的幸福は満たされます。

 

人間の不幸のほとんどは「人間関係」と言います。

 

オキシトシン的幸福を犠牲にすると「孤独」を感じやすくなり、幸福とは言えない状態になります。

 

 

5:ドーパミン的幸福は「成功・達成」

一般的に幸福を感じる例としてわかりやすいのが「ドーパミン的幸福」です。

 

ドーパミン的幸福は「何かを得る、目標を達成する、地位や名声を得る、お金を稼ぐ、人から認められる」のように、脳を興奮させる働きがあります。

 

同じく「遊び」もドーパミンを放出します。

 

  • ゲームをクリアする
  • スマホ・PCを触る
  • 映画・アニメを楽しむ
  • 買いたかったものを買う

 

ドーパミン的幸福は、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福に比べると、得ることが難しいため、依存しやすい性質があります。

 

簡単にドーパミンを得る方法としては、タバコを吸う、お酒を飲む、甘いものを食べる、がありますが、どれも次第に幸福度が減ってくるので摂取量が増えてきて、気がつくと依存してしまうものです。

 

3つのホルモンの中でも、もっとも厄介なのが「ドーパミン的幸福」と言えます。

 

 

6:幸福には4つの性質がある

著者は、3つのホルモンの他に、幸福には4つの性質があると述べています。

 

6ー1:BE(今ある状態)の幸福とDO(行動して得られる)の幸福

→セロトニン、オキシトシン的幸福:健康であったり、人間関係が良好であることを実感して得られる幸福

→ドーパミン的幸福:目標を達成するなど、行動が必要となって得られる幸福

 

6ー2:幸福は「結果」ではなく「過程」である

→お金を稼ぐ、スポーツの大会で優勝する、難関大学、有名企業に入る、など、結果を出すことで大きな幸福が得られる。しかし永続的なものでなくすぐに冷めてしまう。

目標に向けて日々、努力すること、前に進んだ感覚をもつことが幸福につながる。

 

6ー3:幸福は劣化する

→年収200万円の人が年収400万円になると幸福度は上がるが、次第に幸福度の伸び率は下がり、年収800万円の人が年収1600万円になっても幸福度はほぼ変わらない。

→お金を稼ぐ、使うことで得られる幸福は「ドーパミン的幸福」であり、これは逓減(ていげん)するので、価値が薄れてしまうため。

 

6ー4:幸福を掛け合わせることで幸福度は強まる。

著者は、セロトニン、オキシトシンを優先して、ドーパミン的幸福を無視すれば良い、と言うわけではないと述べています。

 

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は逓減しにくく、ドーパミン的幸福は逓減しやすいと言う特徴がありますが、これらをうまく掛け合わせることが重要です。

 

著者はこの4種類が幸福の種類であると述べています。

 

 

7:3つのホルモンを高める方法

これ以降の章は量が多いため、幸福度を高めるための習慣を簡単にまとめます。

 

より詳細を知りたい方は本書を読んでみてください。

 

7−1:セロトニン的幸福を高める方法の例

  • 6〜7時間以上の睡眠をとる
  • 運動をする
  • 朝散歩をする
  • 小さなことに感謝する日記を書く
  • 月に5〜6時間は自然の中にいる

 

7−2:オキシトシン的幸福を高める方法の例

  • スキンシップをする
  • 友人と交流する
  • 他社に感謝する
  • ペットを飼う
  • 植物を育てる
  • リタイアしない(社会やコミュニティとつながる)
  • 結婚する

 

7−3:ドーパミン的幸福を高める方法の例

  • 飲酒量・チョコレートの摂取量を制限する
  • お金・ものに感謝する
  • 自己成長する
  • 新しいことにチャレンジする
  • 楽しいと思うことをする
  • 人に与える
  • 天職を見つける

 

以上の内容が著書の「精神科医が見つけた3つの幸福」の内容の一部の紹介となります。

 

本書を読んで30歳会社員の私に当てはめて考えてみました。

 

 

補足1:ミニマリストやセミリタイヤが流行る理由

ものを必要最低限しか持たない「ミニマリスト」や、貯めた資金の運用益と週2〜3日の労働で慎ましく生活する「セミリタイヤ」が流行っています。

 

これは日本特有ではなく、アメリカやヨーロッパでも流行っています。

 

この生活感を極端だと考える人もいますが、前述の幸福ホルモンに置き換えると「ドーパミン的幸福」の優先度を下げて、「オキシトシン的幸福」「セロトニン的幸福」を優先した合理的な生き方に思えます。

 

私も、ミニマリストやセミリタイア、さらには地方移住の生き方は面白いと考えており、都心に住んでいても真似できる部分は取り入れています。

 

例えば、週に1回は部屋の中のものをチェックして不要なものを手放したり、資産運用を始めたり、部屋に観葉植物を取り入れたり、近くの公園を散歩したりといったことです。

 

この結果、物欲よりも経験欲が強くなり、ものを所有することよりも、美味しいものを食べに行ったり、旅行することに価値を感じるようになりました。

 

 

補足2:ドーパミン的幸福は満たされにくい

前述のとおり「ドーパミン的幸福」には上限がありません。

 

年収はいくら稼いでも、もっと稼いでいる人がいますし、お金を派手に使っても、もっと派手にお金を使っている人はいくらでもいます。

 

私は普通の会社員ですが、28歳〜30歳に面白そうだからという理由で高級住宅街の港区麻布に住んでおり、それはそれは刺激的な日々でした。

 

平日の昼間から犬を連れて六本木ヒルズやミッドタウンでのんびりくつろいでいる方がたくさんいましたし、近隣の物件を調べてみると1億円以上の物件が当たり前のように出てきます。

 

私の東京都内のファミリー用の75平米の実家と、賃貸で住んでいた20平米の単身用マンションの売値が3000万円前半で、ほぼ同じだったことには衝撃を覚えました。

 

この生活のおかげで「会社員でいくらお金を稼いでも全く届かない世界がある」ことを若いうちに知れました。

 

会社員的な幸福であれば、マンションを購入して、レクサスやベンツ、BMWを購入できれば十分幸せだと思いますが、麻布ではカラフルなフェラーリやごつい外車、高級住宅が至るところにあるので、住んでいる方は相対的に幸福を感じにくいのではと思います。

 

インターネット経由でも、自分よりもお金を持っている人を簡単に見つけられるようになりましたから、健康や人間関係を犠牲にして「お金を稼ぐ」ことに人生を賭けるのは少しベクトルが違うのではと気づきました。

 

 

補足3:独身でやりたいことを好きなだけやっても幸福度は限界がある

自分で稼いだお金や時間を自分のために自由に使うには、独身でいる必要があります。

 

私は、20代半ばの頃は、30代中盤までの10年間は、好きなだけ時間やお金を自分のために使おうと考えていました。

 

しかし会社員になって最初の5年間のうちにやりたかったことをほぼやりきってしまったので、30歳になるとお金も時間もそれなりに余裕が出てきます。

 

月に1〜2日、有給休暇を取得しても、20代の頃は食べ歩きをしたり、ホテルのラウンジやおしゃれなカフェに出歩いたりしていましたが、今では家でゆっくりするか、料理するか、読書するか、YouTubeを見るかという隠居生活のような時間とお金の使い方になってきました。

 

独身で好きなだけお金を使うのは「ドーパミン的幸福」です。

 

セロトニン的幸福とドーパミン的幸福は得られても、オキシトシン的幸福は薄くなっている実感があります。

 

ドーパミン的幸福を目指すのではなく、人との繋がりをより重要視して、実家の家族や彼女、友人との関係性を維持していきたいと考えています。

 

 

補足4:ドーパミン的幸福を体験しておくことも大切

本書では、ドーパミン的幸福についても述べられており、具体的には「年収800万円を目指す」ことを指標にされています。

 

これは海外の研究論文の結果を元にしており、一人であれば年収800万円あればドーパミン的幸福は十分に得られるからだと思います。

 

私はまだ年収800万円ありませんが、補足3で書いた通り、お金を出してできる経験はほぼやり切れました。

 

これは私が独身であり、お金を自由に使うことができたからです。

 

同じように、時間がかかるドーパミン的幸福も達成してきました。

 

この体験からして、ドーパミン的幸福を体験すると、それなりに幸福度が上がるということがわかります。

 

時間がかかるドーパミン的幸福

  • 勉強をして難関大学・大学院に入学する
  • 就活をして大手企業に内定する
  • 難関試験に合格する
  • 仕事内容が社内で特集される

 

お金を使うことで得られるドーパミン的幸福

  • 大切にされる体験をする(レストラン・ホテル・ブランド品購入)
  • 質の良い食品を買う(高級スーパー・成城石井など)
  • 住環境を整える(高級住宅街/タワーマンションに住む)

 

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福を犠牲にしない程度にお金を稼いで、頻繁でなくても良いので、ドーパミンが出る行動を体験してみるのも良いかと思います。

 

ドーパミン的幸福を体験しておくと「こんなにドーパミンを出すのにお金がかかるなら、近くの公園を散歩してセロトニンを出そうかな」「実家に帰って家族と話してオキシトシンを出そうかな」というように、行動することができます。

 

 

補足5:現状に感謝する日記は効果あり。

私はその日に考えていることをアウトプットするために、日記を書いたり、スマホで動画をとる習慣があります。

 

本書でも「日記を書く」と言うことを推奨していますが、現状の自分を客観視して感謝することで、幸福度は上がるということを実感しています。

 

他人から見れば順調そうな生活をしていても、毎日同じ生活をしている本人としては、飽きやマンネリが生じている場合があります。

 

そこで現状分析として、今の健康状態や、年収・貯金額、仕事の順調さ、人間関係など、思いつくことを日記や動画を撮ってアウトプットしていきます。

 

すると、客観的に見れば満足できるものも見つかり、幸福度が上がる経験を何度もしました。

 

思いついた時でもいいので、日記を書いたり、自分の考えや感情を動画にとる(人には見せませんが)習慣は、効果があるのでオススメです。

 

 

まとめ。簡単なことから難易度高めも。できることから取り入れてみよう。

今回は、樺沢紫苑さん著書「精神科医が見つけた3つの幸福」を読んでみた感想と、30歳会社員の私が感じたことをまとめました。

 

本書を読むことで、あなたがセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの、どこが不足しているのかを考えてみるきっかけになると思います。

 

私の場合は、オキシトシン的幸福により重点をおきたいと考えました。

 

例えば、睡眠時間を削ってバリバリ働きお金を稼いでるけど幸福に感じない人は「セロトニン的幸福」「オキシトシン的幸福」が足りているか分析するというようにすると良いと思います。

 

本書では、今回ご紹介できなかった具体的な方法が書かれておりますので、少しでも興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。