シンプルライフシリーズの本を読んでみました
今回は『「いらないもの」が教えてくれること』という、アメリカで大人気となったシンプルライフの本です
もともとは、186平米と言うとてつもない広さの部屋に住んでいた著者が、モノを少なくするにしたがって、65平米、さらに46平米、しまいには21平米の狭い部屋にどんどん引っ越していき、シンプルライフで自由な生活を送る自伝をまとめた本です
シンプルライフと言うと、ものが少なく清潔感のあるような印象です。そして何より物が少ない上に洗練されているというのがシンプルライフの特徴です
こちらは全米で話題となっている本です。
日本と比較すると、アメリカ人は、「大きなもの」「モノをたくさん所有できること」に大変な価値を感じます。
そんなアメリカ人が、意識を変えて物を少なくするシンプルライフを推奨したのが、こちらの本です
モノに溢れた欧米人にもできたのですから、日本人には確実にできるはず
ということで今回はこの本を書評してみます
『「いらないモノ」が教えてくれること』を読んだ書評。狭い家でも快適に暮らす方法とは?
なぜ186平米の大きな部屋から、21平米ほどの狭い部屋に引っ越しを決意したのか
著者は、もともと186平米と言う非常に大きな家に住んでいました
日本の価値観とは多少異なりますが、欧米の価値観では大きな家に住んでものがたくさんあることが成功者の証と言う風潮があるようです
そういう意味では、この著者も、経済的には成功を収め、たくさんの物を所有するために186平米もの大きな家に住んでいたのではないでしょうか
著者は、当時同居していた方と2人で、186平米の家に住んでいたそうです。2人で住んでいても186平米と言うのはとてつもない広さですよね
しかしこれだけ巨大な広い部屋に住んで、著者はあることに気がついたそうです
それは、もともとコンパクトな部屋から引っ越してきたので、巨大な部屋の中のたった1部屋分のモノしかなかったことです
著者の父親は、「部屋のスペースが余っているんだから買い物に行くべきだ」と急かします
そして、著者は不要な服から物から、ありとあらゆるガラクタをどんどん家に増やしていきました。しかし、ある日突然、いくらモノにあふれていても心が全く豊かにならないと言うことに気がつきます
同居人も、著者と同じように、ものに溢れた生活に嫌気がさしてしまったようです
そして、186平米もの巨大な部屋を解約して、なんとトレーラーハウスを購入することにしました
いくらものがたくさんあっても、心は全く豊かにならない
これが著者がシンプルライフを始めるきっかけとなったきっかけだそうです
シンプルライフのために、不要な物売るとお金になる
シンプルライフをお勧めしている筆者ですが、欧米らしく、ただものを捨てるのではなく、売れるものは売ると言うスタイルを推奨しています
特に不要な家電製品や洗濯機などは、日本円で30,000円から70,000円ほどで売れているそうです
日本でもヤフオクやメルカリなどを通して、一般の人でも当たり前のように中古品を売るような時代になりました
不用品を出来る限り減らしていくために、捨てる以外にも、このようなアプリを使って売ることを考えてみて下さい
著者は、このように186平米もの大きな部屋にあったガラクタを、次々と売りさばいていき、結果的に500,000円ほどの収益を得ています
また収益だけでなく、ものが少なくシンプルになった部屋に住むことで、心のゆとりも取り戻しています
シンプルライフはものが少なくなるだけでなく、もともとあった不用品やガラクタを売ることによって、お金の面でも多少豊かになることができます
欧米の物の多さは、日本の比ではないほど。ものがあふれていて倉庫ビジネスが流行っている
日本でも、倉庫が道端にあるのを見たことがある人もいるでしょう
あれはレンタルスペースです。家の中に入りきらないものを、倉庫の中に月額で借りて入れておくものです
普通に考えれば、家の中に入れないような多くのものを、わざわざ自分で所有する必要はないでしょう
それなのに倉庫ビジネスが流行っていると言う事は、不要なものを所有している人があまりにも多すぎると言うことです
本にも書かれていますが、アメリカの家庭の 10人に1人はこのようなレンタルスペースを借りているそうです
日本とは比較にならないほどものに溢れたアメリカ。そのようなアメリカでシンプルライフが流行りだしたのは、いくらものがあっても心が豊かにならないと言うことに、誰もが気づき始めたからではないでしょうか
ものが増えすぎてガラクタばかりでも捨てられない理由は、精神的な問題かもしれない
本書では、無駄に溜まってしまったガラクタを捨てるための方法が書かれています
このブログでは割愛しますが、多くの場合、片付けができなかったり、ガラクタが捨てられない理由は、何かしら精神的な理由によるものが多いと言うことです
例えば本書では、ネガティブなイメージのついてしまった高級スーツをいつまでも捨てられなかった男性の話が出てきます
男性は購入時の値段が高く、また品質も良く、なおかつ着る機会もそこそこ少ないので、まだ十分に切れるスーツをずっと所有してました
問題だったのは、このスーツを着てパーティーに出かけたときに、この男性の当時のパートナーが浮気をしていたことが発覚したことです
結果的に、男性はこのスーツ見るたびに元パートナーが浮気をしていたことを思い出してしまいます
どんなに品質が良く、高級なものであっても、物には必ずイメージと言うものが付いています
男性の場合、高級なスーツには元パートナーの浮気と言う最悪のネガティブイメージがついてしまっていたのです
しかしながら、もともと値段も高く高級なスーツだったので、なかなか男性はスーツを捨てられずにいました
結果的に、なぜスーツを見るたびにネガティブな気持ちになるのかという原因を掘り下げていき、スーツを見るたびにテンションが下がってしまう今の現状を危険と捉えた結果、男性はスーツを捨てる事に成功します
男性のように、ものがなかなか捨てられない理由は、実は心理的なものが大きいのです
本書では、このように心理的な障害を取り除いてものを少なくするための方法がまとめられています
物だけじゃない。人間関係もシンプルにすると人生がはかどる
本書では、単に物を少なくするだけでなく、自分の人生にとって有益な人物と触れ合う機会を増やすことを推奨しています
逆に言えば、人付き合いは、人を選ぶ必要があるということです
人付き合いは、ほとんどの場合、運によって決まってきます
今までの人生の中で、どの場所に生まれたのか、たまたま昔の隣に座っていたのはどんな人だったのか、たまたま同じ電車に乗ってきた人はどんな人だったのか
毎日毎日、このような偶然によって、人は人生の中で出会う人が決まってきてしまいます
そのため、人生の中でどうしてもイライラしてしまう人もいるはずです
いつもおせっかいに気をかけてくる人が嫌だなと思うような人もいるはずです
このような人間関係は、いつまでも我慢して続けていると精神的にストレスが溜まってきてしまいます
本書では、このような人たちといかに付き合っていくかといった人間的なコミニケーションの方法にも書かれています
仕事上、性格が合わないような上司と仕事しなければならない場合、明確に嫌な事は嫌と言う必要があります
例えば、仕事の当日に、無理矢理残業させられそうになった場合は、「事前に残業申請してくださればいつでも対応します」と言うふうに、真摯に対応しながらもうまく残業を断るような方法が推奨されています
日本人は、とにかく断ることが苦手な人種だと思います。特に立場が上の上司などには、なかなか歯向かうこともできないでしょう
しかしながら、日本だけでなくアメリカでも、どの国でも、自分にとって断らなければいけないような場面というのはたくさんあります
そのような際に、「何でもかんでも自虐的に自分が我慢すれば良い」と言う行動していては、どんどん人間関係のストレスを溜め込んでしまいます
人間関係の断捨離をするというのは非常に難しいことですが、苦手な人間ともうまく折り合いをつけて、なおかつ自分にとって無益なことに対しては、出来る限りはっきりと断ると言うトレーニングをすることを推奨しています
少し前に、勝間和代さんの、断る勇気、と言う本がベストセラーとなりましたし、嫌われる勇気と言うアドラー心理学を基にした本持ったりベストセラーとなっています
それだけ日本人は、他人のことを気にして、時には自己犠牲をすることをが良いと言う価値観があります。自分のことをないがしろにして、周囲に合わせるような生き方に辛くなった人には、このような考え方を取り入れることがお勧めです
本書には、単に物を少なくしてシンプルライフを目指すだけでなく、シンプルライフという概念を通して、自分がもっと人間関係的にもストレスフリーになる方法が書かれています
まとめ。シンプルライフを目指しつつ、快適な生活をしながら人間関係もうまくできるようにしましょう
シンプルライフを実施するのはとても簡単です
- ガラクタ、物を捨てるか売る
- 自分にとって無益な事は、出来る限り断る
- 自分の考え方にゆっくり目を向ける
シンプルライフを実施していくことで、確実に自分の人生にとって有益なことが起こるようになります
たくみがシンプルライフ、断捨離を始めたのは、実家に住んでいた学生の頃、 2014年からでした
大学院に進学して、今までの最悪だった環境を一新すると同時に、もともとの環境で使っていたような服やものを一気に整理しました
八方塞がりで、何をやってもうまくいかなかった大学の時に使っていたものを見ると、どうしても当時のうまくいかないネガティブなイメージが思い出されてしまうからです
うまくいかなかった時期のネガティブなイメージを持っているものを全て断捨離した結果、大学院生活はとても有意義で楽しいものになりました
大学院卒業後も、社会人として、一人暮らしを経験しつつ、出来る限りイメージの良いものだけに囲まれるような生活をしています
そしてうまくいかなかった大学時代から使っているようなパソコンや思い出の写真等は、全て捨ててしまっています
同じように、傷を舐め合うようにしていた大学時代の留年仲間などは、今ではもう会うことも連絡を取り合うこともありません
シンプルライフを通じて、物を少なくすることは良くても、人間関係を整理すると言う事は、誰とでも仲良くしようと言う価値観を大切にする日本人にとっては、あまり好ましくないかもしれません
しかしながら、日本人がもっと自分自身の生活を楽しく生きていくためには、自己犠牲が正しいとは必ずしも限らないと言うことに気がつかなければいけないと思います
学校教育では、「自分を犠牲にして他人のために生きろ」「自己中になるな」と言うふうに強制的な自己犠牲の精神を教え込まれて育ちます
しかし、これからの時代に、自分を犠牲にしながら生活していくと言うのは非常にもったいないことです
IT技術の発達によって、タクミのような一般人であってもこのように自分の考えを文章にして、一般公開することができるようになっています
たくみだけでなく、多くの人がブログやYouTube、Twitterなどを使って、どんどん自分の意見を発信していける時代です
シンプルライフと言うのは、モノを所有することに左右されずに、人間関係を整理して前向きに自分の人生を楽しもうとする概念です
ぜひ本書のようなシンプルライフの本を参考にして、自分の生活をもっと楽しめるように前向きになりましょう
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