若いうちにお金を使うか貯金するか悩む人:若いうちは「お金を使え」って言われるけど、人によっては「お金は貯めておけ」って言うよな。どっちが正解なのだろうか
タクミです。社会人3年目まで散財して貯金0になり、その後お金の使い方を改善して年間250万円以上の貯金をできるようになった経験があります
今回は「DIE WITH ZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール」と言う本を読みました。直訳すれば「0で死ね」というタイトルなので少々過激ですよね
結論からいえば「老後の心配をしてお金を貯めても、ほとんどの人は死ぬまでに使いきれないから、無駄にお金を貯めないで使え」というスタンスの本です
最近では、インターネットでお金の知識を公開する方が増えたので、若いうちから真剣に貯金や投資、副業をする人が増えました。それに伴い「早期リタイア(FIRE)」を目標にした20代、30代の方も増えた印象です
しかし今回ご紹介する「DIE WITH ZERO」は、「若いうちのはした金は経験に使え」というスタンスなので、社会人3年目の私の思考に似ていました
それでは「DIE WITH ZERO」がどんな内容の本なのかご紹介します
若いうちは「散財派」の人にも「貯金派」の人にも役に立つ知識があるのでぜひ読んでみてください
- 【書評】「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」は驚きの連続!お金の使い方の勉強に必読!
- 「DIE WITH ZERO」の主張1:喜びを先送りにするな
- 「DIE WITH ZERO」の主張2:「思い出づくり」こそ最重要である
- 「DIE WITH ZERO」の主張3:使わないお金の分までタダ働きするな
- 「DIE WITH ZERO」の主張4:死ぬ前に後悔することトップは「仕事のしすぎ」
- 「DIE WITH ZERO」の主張5:誰もが必ず歳をとる。歳をとるとお金の価値は下がる
- 「DIE WITH ZERO」の主張6:老後に貯めたお金は実はほぼ減らない。増えることもある
- 「DIE WITH ZERO」を読んだ私の感想
- まとめ。「DIE WITH ZERO」はお金の使い方を勉強するのに必読の書!
【書評】「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」は驚きの連続!お金の使い方の勉強に必読!
「DIE WITH ZERO」の主張1:喜びを先送りにするな
「DIE WITH ZERO」では、「今使えるお金をなぜ今使わないのか」という主張がたくさん出てきます
例として、20代で借金をして仕事を辞めてまでヨーロッパ旅行に行った著者の同期の話がでてきます
著者は「仕事を始めたばかりなのに、仕事を辞めて高金利の借金をしてまで娯楽の旅行にいくなんてバカげている」と思ったそうです。しかし結局、同期は最高の思い出を得ることができ、著者は若いうちしかできない旅行をしなかったことを後悔する話がでてきます
これは私も経験があります。昨年はニューヨーク、その前はヨーロッパ諸国を毎年ひとり旅するのが毎年の楽しみでした。しかし2020年は感染症のために海外旅行に行くことができなくなりました
私は学生時代は「海外旅行なんて行かなくても問題ないだろう」と思っていた人間でしたので、社会人になっても海外旅行に行かない可能性も十分にありました。しかし、たまたま社会人2年目に思い切って一人でヨーロッパ旅行をしてから旅にハマりました
もし、社会人2年目に感染症で海外旅行に行けなくなってしまったら、私はその後も海外旅行には縁がなかったかもしれません。また仮に感染症がなくても、海外旅行のひとり旅は20代のうちはよくても30代、40代になると体力も衰えるし周囲の目が気になり、思いっきり楽しめないかもしれません
「DIE WITH ZERO」では「若いうちにお金を使え」とありますが、これは「その年齢で最適なお金の使い方をしろ」という意味ととらえました
10代、20代なら20〜30万円あれば十分海外旅行を楽しめますし10万円以下でも格安旅行ができますが、老後の海外旅行で格安のドミトリーに泊まる事は難しいですからね
「DIE WITH ZERO」の主張2:「思い出づくり」こそ最重要である
「DIE WITH ZERO」では老後の備えよりも思い出づくりにこだわることを説いています
若いうちから経験を増やしていくことで、生涯にわたり楽しかった思い出を繰り返し思い出すことができます
一方で若いうちから貯金のために思い出づくりをしなかった人は、貯金は残りますが肝心の思い出が貯蓄できません
著者は、このように思い出が蓄積されて年々積み重なることを「思い出の配当」と表現しています
お金の場合は投資額が大きくなるにつれて「配当金」としてお金をもらえる額が増えますが、同じように「思い出も積み重なることでそこから得られる喜びが年々大きくなる」と筆者は主張しています
私は「ミシュラン星付きや高級ホテルにいくなら20代のうちに」と考えてお金を使っていた時期があります。20代で作った思い出は50年後、60年後まで残りますが、40代、50代で経験した場合、思い出として残る年数が減ってしまうと考えたからです
「DIE WITH ZERO」の主張3:使わないお金の分までタダ働きするな
筆者は「使わなかったお金」はもったいない上に「使わなかったお金を稼ぐために使った時間も無駄にしている」と主張します
例えばフルタイムで1年間働いた方の手取り年収が300万円だったとして、年間支出も300万円であれば、プラスマイナス0になります。
しかし手取り年収300万円に対して、年間150万円しか生活費を使わなかった場合、残りの150万円を稼ぐために使った「半年分の労働時間は無駄」ということになります
もちろん、数年単位であれば将来のために貯金する(つまり数年後に使う)という方もいるので、働いた時間が完全に無駄になるわけではありません。しかし老後まで同じ考えで貯金ばかりしていて、結局使わなかったらそれは「働き損である」ということです
私はお金の使い方を大きく見直したことで、年間貯金額が250万円以上になりました。しかし見方を変えれば使えずに残ってしまった250万円を稼ぐための時間(約4.5ヶ月)は無駄な労働時間だったことになります
つまり筆者は「時間を大切にしろ」ということを説いています
若いうちは「時間はいくらでもあるから金が欲しい」と考えてしまいます。しかしある程度の年齢になると「お金を払ってもいいから若くて元気な時代に戻りたい」と考えます
お金は稼げても若くて元気な時代は一生戻ってこないのですよね。ということは「時間」がもっとも大切なものであると言えるのではないでしょうか
「DIE WITH ZERO」の主張4:死ぬ前に後悔することトップは「仕事のしすぎ」
「DIE WITH ZERO」に限らず、死ぬ前に後悔することのトップに「仕事をしすぎなければよかった」というものがあります
「仕事をしすぎる」とは、上司やお客様などからの要望や指示に応える、応えざるを得ないと考えてしまう、もしくは「もっと仕事で評価されたい、お金が欲しい」という欲求を満たすためかもしれません
この後悔は家族やお子様がいる方が「もっと家族との時間を大切にすべきだった」と後悔することが多いためだといいます
私は独身なので今は仕事が忙しくても心配はないのですが、将来家族をもった場合に同じことで後悔したくないと考えています。実際に「俺はほとんど子供の顔を見たことがない」と行っている人を何人も見ているので、そうはなりたくないというのが本音です
私の両親はどちらも定時で仕事が終わる会社でしたし、子供時代のイベントがあればほぼ必ず来てくれていたので、私自身は両親に大変感謝しています。私も将来の子供と可能な限り一緒にいたいと思いますが、今の働き方では難しいと感じます
結局は「誰かと一緒に過ごせる時間は有限である」ことを常に意識するのが大切だということです。幼少期は仕事で忙しく、ようやく仕事が落ち着いた頃には、子供との関係性がギクシャクするのでは、なんのために仕事を頑張ったのかわからなくなりますよね
「仕事に一生懸命取り組める時期は有限である」ということです。独身時代に可能な限り昇進しておくか、昇進を諦めて家族に尽くすか、結婚を諦めるのか考える時期が来るのかもしれません
「DIE WITH ZERO」の主張5:誰もが必ず歳をとる。歳をとるとお金の価値は下がる
「DIE WITH ZERO」の主張では、誰もが歳をとり、歳をとるごとにお金の価値は下がることを説いています
これはイメージしやすいですよね。例えば10万円を貰えるなら、大学生ならモテるために服を買いますし、20代の社会人なら高性能な電子機器を買うかもしれません。しかし30代になれば服も電子機器も十分に持っていることがほとんどですし、高齢になれば体型も崩れ、電子機器は使いこなせないかもしれません
先ほどの旅行の例もそうですが、人気のヨーロッパ旅行は実は体力や気力が必要です。移動に時間がかかり、日本語も英語も通じない場所もあります。アジア人に優しくない国もあり、食も合わないこともあります
若いうちは経験のうちとして受け入れられますが、高齢になったらわざわざ高いお金を出してまで体力が必要な慣れない国に行くよりも、国内の安心した場所に旅行にいくかもしれません
私はそろそろ30代が目前なのですが、20代の時よりも確実に体力と気力が落ちてきている印象があります。いくら健康に気を遣っていても誰でも歳をとることを考えると、お金は使うべき時に使おうと考えるようになりました
「DIE WITH ZERO」の主張6:老後に貯めたお金は実はほぼ減らない。増えることもある
「DIE WITH ZERO」の主張では、老後に貯めたお金は実はほぼ減らず、中には増えることもあるそうです
なぜこのようなことが起こり得るかといえば、以下の理由があるからです
- いつ死ぬかわからず、死ぬ前にお金が尽きるのを恐怖に感じてお金を使わない
- お金が多ければ多いほど安心感を感じる人がいる
- お金を子孫に残そうと考える人がいる
本書は日本以上に貯金をしない国であるアメリカの話ですから、日本ではアメリカ以上に貯金を残したまま亡くなる方が多いのではと思います
しかし、例えば子孫に遺産を残すためという理由なら良さそうですよね。ところが筆者は「遺産を残す年齢の時には、子供も50代が多い」ことを懸念にあげています
これは著者の主張ですが、人間がもっともお金を必要とするのは「26歳〜35歳」だそうです。まさしく私の年齢ど真ん中というところです
つまり、親が遺産を残す年齢では、子供はすでに50代である。それならば死んでから遺産相続にするのではなく「子供がお金が必要になる26〜35歳のうちにまとまったお金を譲るべき」というのが筆者の主張です
そして、老後にはそこまでお金はかからないのですから「45歳〜60歳」の間は貯まったお金を切り崩していくべしと説いています
「60歳までに2000万円用意しろ」というスローガンと相反する主張ではありますが、人生を最高に楽しむという意味では面白い考え方だと思います
「DIE WITH ZERO」を読んだ私の感想
私は「DIE WITH ZERO」に感銘する部分が多くありました
特に「若いうちから思い出づくりをすることの価値」を繰り返し主張しているのが印象的で、共感できる部分が多いと感じました
私は今でこそお金のやりくりを考えるようになりましたが、数年前までは「経験に湯水のごとくお金を使う」ことを心情にしていました。そして、それは「悪い経験ではなかった」と胸を張っていえます
むしろ35歳まではもっとお金を経験に変えていくことに使った方が合理的なのではと思いました。もちろん最低限の貯金は継続しますが、貯金や節約に縛られすぎて、本来得られた経験を機会損失していないかと考えるようになりました
貯金はもちろん大切です。しかし貯金の割合が多すぎる場合には、もっと経験にお金を使うことを意識した方が良いかもしれません
まとめ。「DIE WITH ZERO」はお金の使い方を勉強するのに必読の書!
「DIE WITH ZERO」は久々に面白いタイトルだと思い、ポチってしまいましたが、かなり文章量が多く、今回ご紹介したのはほんの一部です
おそらく情報通の若い方はYouTubeやブログ、SNSでお金の使い方や貯め方について学んでいる方も多いと思います。そのような方からすれば「単に散財を推奨しているだけ」と思われると思います
一番良いのは「経験をたくさん積む」ことと「お金を貯金すること」を両立することです。しかし、収入が少ない20代、30代のうちは「貯金・節約」に焦点を絞りすぎず、「お金を経験に投資すべきかもしれない」と本書を読んで気づくかもしれません
特に老後の不安を煽られたところで、まだまだ老後は数十年の先のことですし将来のことは誰にもわかりません
30年後には、制度が充実して月10万円ベーシックインカムのように一律で支払われる時代になるかもしれませんし、貯金2000万円用意していない人は貧困でお金が尽きて何の保証もなく60代までしか生きられないかもしれません
私が本書を読んで思ったのは「老後の心配をしすぎず、今しかないこの時間にもっとお金を投資しよう」ということです
20代前半から半ばまでは「いつまでも若くて元気がある」と思っていましたが、30代を目前に控えると「若いうちにできることに限りがある」と思うようになりました
何かにチャレンジすることは何歳になってからでもできますが、「チャレンジを何歳でやるのか」については、やはり適齢期があると実感しています
私にとってはお金を少しずつ貯金することも一つのチャレンジですが、「お金が原因で今まで避けてきたこと」もトライしていきたいと思いました
「DIE WITH ZERO」はおすすめです。特にこれから貯金や投資などに励もうとしている方に、「お金を使うことも意識しよう」と教えてくれる良本です
ぜひ興味がある方は 「DIE WITH ZERO」を読んでみてくださいね!