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20年後に何が起こる?『2040年の未来予測(成毛眞著)』を読んでみた。

タクミです。

 

成毛眞さんの著書『2040年の未来予測』を読みました。

 

成毛眞さんは元日本マイクロソフトの社長で、近年は「HONZ」などの書評サイトを運営されています。

 

www.takumoney.com

 

成毛さんは「とんでもない量の本を読む」人でも有名ですが、それだけ本を読んだ方が2040年を予測する、という斬新な本で面白かったので、一部をご紹介します。

 

 

 

20年後に何が起こる?『2040年の未来予測(成毛眞著)』を読んでみた。

前提:20年の変化はとてつもない

まず、20年後の未来予測などできるのでしょうか。私は最初にこの疑問を持ちました。

 

現在は2022年8月です。20年前といえば、2002年で、私は小学校6年生の頃でした。

 

当時はインターネットはありましたが、Biglobeを検索エンジンとしており、今のようにGoogleは主流ではありませんでした。

 

スマホもありませんし、私は小学生でしたので携帯電話も持っていません。ゲームボーイアドバンスでパワポケをやったり、任天堂64やプレステ2で「牧場物語」や「ゼルダの伝説」をして遊んでいました。

 

YouTubeもないので、家族でテレビを見るか、ゲームをするかという状態です。

 

音楽CDやDVDが100万枚、200万枚と売れていたのも過去の状態で、2022年現在はトップ10でも数万枚も売れたら大ヒットではないでしょうか。

 

それが、20年後の2022年には、スマホもありインターネットで検索できる情報も当時の「おもしろフラッシュ」とは比較できないほど膨大です。

 

ざっと過去20年を振り返りましたが、20年間で世界は大きく変化します。当時の人が2022年現在の状態を未来予想するのは、非常に難しかったと思われます。

 

本当に20年後を予測できるのでしょうか。それでは本書の内容をご紹介します。

 

予想1:IoTにより、あらゆるものにマイクロチップが埋め込まれる→無人店舗が増える

IoTとは、あらゆるものがインターネットのようにつながる世界を指します。

 

現在はパソコンからWifiなどを経由してインターネットに接続すれば、他の公開されている情報にアクセスできます。

 

例えば、スマート家電などが普及してきていますが、日の出と共にカーテンを自動で開閉してくれたり、Googlehomeのように声に反応して電気のオンオフ、エアコンの温度調整が自動でできるようになっています。

 

特にマイクロチップと呼ばれるものが周囲のものに導入されると、あらゆるものがより一層便利になります。

 

例えばセルフレジが普及していますが、商品のバーコードを1つ1つスキャンするものばかりで、正直面倒です。

 

そうではなく、マイクロチップが導入されたユニクロなどの店舗では、商品を所定の場所におけば、自動で商品の個数と料金を読み込んで金額を表示してくれるようです。

 

私の身近な事例で言えば、中央区の日本橋図書館によく行くのですが、借りる本を所定の場所に置くだけで、自動で本の種類の冊数を読み込んで画面に表示する仕組みになっており、大変便利だと感心しました。

 

この技術がありとあらゆるものに導入されれば、コンビニやスーパーではスタッフを雇わなくても、正確に商品の購入ができるようになります。

 

便利になる一方で、販売員の方の仕事が減るというデメリットもあります。

 

商品の陳列はまだ自動化できていないので、すぐに仕事がなくなることはないのですが、「売り切れの商品は一定時間補充されない」「盗難や金額を誤魔化されるリスクは0ではない」ということを前提にすれば、無人化の店舗が増えることは間違いないと思います。

 

予想2:医療現場の業務が飛躍的に改善される

5G、6Gの技術革新により、動画の読み込みが飛躍的に向上すると、医療現場ではリモートでの診断などが、より効率的になります。

 

5G、6Gとは、簡単に言えば、「動画の読み込むスピードのレベル」と捉えられます。

 

イメージしやすいのは、YouTubeの動画再生までの読み込みが早くなるということですね。

 

仕事場でweb会議をしている人であれば、動画の読み込み速度も飛躍的に向上します。

 

これにより、より一層、リモートワークが普及しそうですね。

 

また、AIにより過去データを機械学習させれば、医者が診断するよりもより正確に、より早く、病状を検知することができるようになります。

 

医師の負担も減りますし、誤診のリスクも低減されるので、より一層医療レベルが向上することを予想しています。

 

予想3:空飛ぶ車やドローン配送が当たり前になる

空飛ぶ車やドローンによる商品配送も、20年後には実現できるのでは、と予想しています。

 

空飛ぶ車が実現すれば、渋滞を回避できそうです。またドローン配送ができれば、人件費のコストを減らして、ドローンの操作のみでネットショッピングで購入した商品を受け取ることができるようになります。

 

ドローンについては規制の問題がありますが、技術は年々改善されることを考慮すれば、法律はそのうち変わることが予想されます。

 

ウーバーイーツやAmazon、楽天、日本ではヨドバシドットコムなどのネットショッピングの配送は、今の時点は人力でやっています。

 

このうち一部がドローンになるだけでも、人件費の削減や配送までの時間短縮ができるようになりそうです。

 

予想4:日本の人口は減り、世界人口は増える。食料は人工的になる。

日本の人口は少子高齢化のため、将来は確実に減ることが予想されています。これはほぼ確実のようです。

 

一方で、世界の人口は増え続けています。そうなると、食料が不足する事態になってきます。

 

これを解決するのが「培養肉」「培養魚」などの人工的に作られた食品になります。

 

2022年現在、コストや味の問題から、日本ではまだ普及はしていませんが、海外では少しずつ培養肉を使ったレストランが出ているようです。

 

すでに「遺伝子組み換え作物」は世の中に普及しております。健康への危険性が不明なことから、できる限り避けている人もいると思いますが、食用油などを含めれば、すでに一般家庭に普及しているといえます。

 

誰もがオーガニックな食材のみを食べていければ良いと思いますが、人口が増えて食料の生産が間に合わなければ難しくなります。

 

本書を読んだ感想

本書では、他にも成毛さんの未来予測が出てきます。

 

私の個人的な感想としては、「現在の出来事を根拠にして、将来起こる可能性が高いことをまとめた本」だと感じました。

 

現在の技術や国の方針から将来予想されることをメインに書かれている印象で、映画の世界やSFチックに「宇宙で生活する人が出てくる」とか「不老不死の技術により、平均寿命が150歳になる」などの記載はありませんでした。

 

どちらかといえば、「日本人の高齢化社会」がほぼ実現することに対する対策として「年金の受給を遅らせる」や「技術の発達で若手の働き手が減った分は一部は補える」など、具体的な対策について述べられている本です。

 

事実をもとに将来起きることを予想しているので、本書で書かれていることが20年後に起きる可能性は非常に高いと思います。

 

もし、突飛で面白い予想を期待している方がいれば、本書は参考にはならないと思います。

 

まとめ。20年後に何が起こるか予想してみよう

今回は成毛眞さんの『2040年の未来予測』を読んだので、書評を書いてみました。

 

せっかくなので、私も個人的に、20年後の2040年の予想を書いてみます。

 

1.「時間」を「お金」に変える商品が販売される。

→時間の価値が年々高くなっています。お金の価値は変動しても、時間は24時間であることは変わりないので、お金がある人は、お金がないけど時間がある人の時間を購入して、サービスの提供を依頼することが、より頻繁になると思います。

家事代行、ベビーシッターなどは既にありますが、「予約の取れないレストランの代行予約」「行列の代行待ち」など、現在もあるサービスの種類が格段に増えると思います。

 

2.居住地を変えることが頻繁になる。

→都心の商業施設が充実するので、東京都心部に住みたい人が増える。そのため「持ち家」の価格は高額になり、お金持ちしか買えない。ほとんどの人が賃貸になり、大多数の都心に住みたい人のために、東京の空き家に住めるサービスが充実してくる。子供が転校することになっても、前の学校での成績や性格などがデータ化されていて、転校先でも教師が把握できるので、環境を変えることのリスクが低減され、居住地変更が頻繁に起こる。

 

3.インフルエンサーの種類が「完璧っぽさを持つ人」か「人間らしさが溢れる人」かで分類される。

→健康やお金の稼ぎ方、教養の身につけ方など、ありとあらゆる有益な情報に、多くの人が「無料」でアクセスできるようになる。情報収集をして、最短ルートで全てを得る人が出てくるので、その人が「完璧」に振る舞うことで、そうでない人が憧れる。一方で「完璧すぎて人間味がない」というアンチが発生するので、その逆をいく「人間らしい人」が人気になる。テーマは「不健康と話題の〇〇入りクッキーを食べて寿命を減らしてみた」など。

 

最後は完全に私の主観で書いてしまいましたが、将来予測することができれば、今現在をどのように生きれば良いのか、が見えてきます。

 

将来を完璧に予測することはできませんし、将来のことを考えすぎて、今の時間を消費しすぎるのも、もったいないと思います。

 

そのため、本書のように、ある程度、将来起こる可能性が高いと思われることを知った上で、今、何の準備ができるだろうか、と考える習慣をつけるくらいで十分だと思います。

 

成毛さんの主張したい部分としては、「日本では若者が減って高齢者が増えるのは間違いないのだから、将来の貯金はしておくべきだし、若いうちに貯金ができなくても、できるだけ長く働いて老後に備えるべし」という、非常に真っ当なことを述べられています。

 

ある意味、保守的な考え方ではありますが、「重要なことは常に同じ」ということが、本書を読むとわかります。

 

ぜひ、興味がある方は本書を読んでみてはいかがでしょうか。