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持ち家はお得なのか。『マンションは学区で選びなさい』を読んでみた

タクミです。都内在住の30代男です。

 

今回は『マンションは学区で選びなさい』を読んでみました。少し前の本ですので情報は古いものの、「学区」という子育てで重要な要素を軸に、持ち家を推奨している本です。

 

私は新卒時代から賃貸マンションに住んでいます。理由は会社の家賃補助が30代後半まであること、そして2〜3年おきに引っ越しをするくらい、住環境を変えることが好きな人間だから、賃貸の方が身軽という理由です。

 

賃貸派と持ち家派、どちらがお得かについては、何十年も議論があり、いまだに決着はついていません。

 

その理由を本書を読むことで理解することができます。

 

持ち家はお得なのか。『マンションは学区で選びなさい』を読んでみた

本書は「持ち家推奨派」

前提として、本書は持ち家推奨派の人が書いた本です。

 

そのため、「持ち家の方がお得」という情報が載っているのですが、本書が面白いのは「学区」というマニアックな視点でマンションを見ているということです。

 

賃貸派の方は、持ち家の方を優遇してかかれていることから、抵抗があるかもしれません。

 

それでも、持ち家にすることのメリットを知れるという点で、一読してほしいです。

 

マンションの価値は「学区」の要素が大きい

本書では、マンションの価値は「学区」で決まると買いています。

 

東京都でいえば、特別区の23区なら、千代田区、文京区、港区、中央区などの都心部は、有名小学、中学、高校、大学がある点で学区は有利で、学区が良ければマンション価格は値崩れしにくく、購入する時期によっては値上がりも期待できる、ということです。

 

東京では、住んでいる住所の近隣で、小学校が決まるケースが多いです。調べると、住所ごとに指定の小学校は決まっています。

 

そして、小学校ごとに教育格差は大きいという点に着目し、たとえば文京区のとある小学校では、中学受験率が90%もある、という話がでてきます。

 

著者は、小学校別の両親の世帯年収についても、独自調査で集計するほどで、「世帯年収が高い小学校ほど、中学受験率が高く、学歴を手に入れやすい」ということが述べられています。

 

著者の住まい歴を知れる

著者は、全国のマンションの価格について調査している「住まいサーフィン」を運営してます。

 

つまり、マンションの価格が上がるか下がるかについて、常に調査を続けている「専門家」ということです。

 

そんなマンションの専門家自身が、過去にどのような住まいを選択してきたか、本書を読むことでわかります。

 

本書では、最初に江東区のタワーマンションを購入し、その後、学区にこだわって、文京区の3LDKの長屋のような戸建てを賃貸し、タワーマンションは賃貸に出したことが書かれています。

 

別の動画では、著者の子供を、文京区の名門「誠之小学校(せいししょうがっこう)」に入れている発言をしていることから、住所は文京区白山、西片、向丘、本郷のどこかということがわかります。

 

https://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kyoiku/gakko/elementaryschool/tuugaku.html

 

現在は、港区に住んでいる発言をしていることから、以下のように引っ越しをされていることがわかります。

 

  • 最初は江東区(豊洲、有明、東雲など)のタワーマンションを購入したものの、近隣の小学校の評判が悪く引っ越しを検討
  • 子供が小学校になるタイミングで、文京区(白山、西片、向丘、本郷)に賃貸で引っ越し
  • 子供が高校〜大学、もしくは独立したタイミングで、港区(住所は不明)のマンションに引っ越し

 

このことから、著者は最初から文京区の学区が良いマンションを購入して値上がりする物件を購入した、というわけではなく、人気の江東区の埋立地のタワーマンションを購入してから、試行錯誤しながら引っ越しを続けている、ということがわかります。

 

本書を読んだ感想

東京の家賃相場に詳しくない方でも、著者がタワーマンションを購入したり、文京区の3LDKの賃貸に住んだり、港区に持ち家を購入していることから、「お金に余裕がある人」には役に立つ情報であることがわかります。

 

2023年現在、江東区のタワーマンションは、中古でも2LDKでは7000万円以上しますから、世帯年収1200万円以上は必要になります。

 

著者がタワーマンションを購入した時期は、今のように値上がりしていない2000年代と推測されます。当時でも5000万円以上の価格はしますから、世帯年収800〜1000万円以上は必要になります。

 

文京区の戸建て賃貸は家賃が書かれていませんが、文京区で3LDKであれば、家賃20万円〜30万円はかかりますから、最低でも世帯年収1000万円以上は必要です。

 

このように、著者と同じような超都心部での引っ越しは再現性が高い話ではありませんが、本書では23区を中心に、西東京、神奈川県、埼玉県、千葉県についても、学区ごとの親の世帯年収が書かれていますので、住む場所の参考になります。

 

まとめ。賃貸でも持ち家でも「住む場所」は最重要

本書を読むことで、賃貸にしろ持ち家にしろ、マンションを選ぶ際には「学区」が重要ということがわかります。

 

私タクミは東京都足立区で育っています。通っていた小学校で中学受験をする話は40人のクラスの中で1〜2人しか聞いたことがありません。

 

小学校5〜6年生の頃は、皆、中学受験ではなく、部活動の野球、サッカーか、カードゲーム、漫画、もしくはグレはじめるなど、勉強に集中することが第一、という環境ではありませんでした。

 

今は、賃貸で千代田区に住んでいます。過去には新宿区の神楽坂近辺、港区の麻布にそれぞれ2〜3年住んでいましたが、どの地域も名門校があります。

 

このような都心部の地域では、小学生の半数以上は中学受験をするようです。

 

小学校時代から勉強の習慣が身につき、受験を早くに経験している人と、大学受験が近くなった17〜18歳からサボっていた勉強を始めるのとでは、あまりにも差があります。

 

私は大学受験では希望校に入れず、希望を失って大学に行かず、留年をしています。その後、23歳になってからリベンジとして東大の大学院に進学し、2年後には幸運にも大手企業の内定がもらえて、今は楽しく生活できています。

 

最近では、学力は遺伝で決まる、という研究結果が出てきています。確かに勉強できる子は最初から勉強できますし、苦手な子はなかなか勉強ができません。これは7年間の学習塾のアルバイトで体験しました。

 

生まれながらに差はあるものの、少しでも悪あがきをして上にいきたい。学歴は一生涯つきまとってきます。

 

そのような点で考えたとき、少なくとも「学習環境」だけは、ある程度のお金があれば買うことができます。

 

著者のように、湾岸のタワーマンションの住環境を捨てて、超都心部の文京区の名門小学校に賃貸で移り住み、資産価値の高い港区の物件を買うことはできなくても、予算の範囲で近所の名門小学校に入れるところに住む、というのが良さそうです。

 

本書は東京を中心に書かれていますので、情報がない地域もあるとは思いますが、持ち家か賃貸か、という小さな話ではなく、「学区をお金で買う」という新しい発想を持てるようになる本書を、ぜひ一読してもらえると嬉しいです。

 

なお、本書の情報は数年前の古いものになりますので、最新の情報は著者が公開している無料のコラムやサイトからご確認ください。