タクミです。
FIREした20名の人の体験が描かれている本を読みました。
FIRE、つまり経済的自立をして仕事を早期にやめた人という意味です。
色々な方の人生を知るのは、自身の生き方の参考になりますので、積極的に読んでいます。
本書の内容には触れず、本書を読んで私が感じたことを書いてみます。
FIRE後の人生を先取りしてみる
FIREできる資産を作れる人の共通点
ざっくり30代〜40代の早期に仕事を辞められる人の特徴は
- 高年収である
- 専門職(医者など)をもっている
- 事業(最近はYouTuber)で成功する
- 株の含み益を得る(仮想通貨+集中投資も)
つまり、残念ながらほとんどの人には再現性は低いものです。
50代でもFIREだけど
65歳どころか70歳まで働くことが普通になる日本では、50代のうちに早期リタイアしても早いことになります。
しかし、FIREしたい人は50代は遅く、30代〜40代前半くらいまでに早期リタイアしたい人も多いと思います。
なぜなら20代から投資やFIREのやり方の情報が簡単に手に入り、工夫次第では億単位の資産がなくてもリタイアできるからです。
一般的な話なら
FIREは極端な外れ値の話です。偏差値なら70-75の話ではなく、90-100くらい離れています。
もっと一般的な話をします。
生活費は毎月33万円。年間396万円。約400万円弱。これが一般的な支出と考えます。
近年は寿命が伸びていて死ぬまで100歳かかる。というのは楽観的です。健康寿命は75歳くらいでしょうか。
25歳:400×50→2億
35歳:400×40→1.6億
45歳:400×30→1.2億
55歳:400×20→0.8億
25歳でリタイアするのは途方もなく難しいゲームですが、55歳の時点で8000万円なら、ギリギリクリアできる範囲になります。
25歳〜55歳までの30年間、毎月12万円、年間144万円を貯金して5%の長期投資をすれば到達です。
それなりに難しいですが、絶対ムリな夢物語ではないことがわかります。
FIREのパラドックスを超えるには
資産を数千万円増やして経済的自立(FI)することは、かなり難しいものの、実現は可能です。
ただ、実現できたときには55歳。資産はあっても20〜40代は働いて貯めるだけの人生になってしまい、二度と戻ってきません。
この対策として、2つの考え方があります。
1つ目はRE(早期リタイア)を諦めること。
リタイアしなくても、土日祝、有給を20日取れる環境なら、年間休暇は140日。年間の約4割は休みになります。
やりたいことが数ヶ月、数年の長期休暇がないとできない場合を除けば、140日の自由時間があればゲームや読書、旅行に芸術、これだけやっても時間は余ります。
2つ目はお金を作ることを人生の目的にすること。
遊びや体験にお金を使う必要はなく、資産があればあるほど、投資や事業など、お金を利用した行動が増えます。
そもそもゲームのレベル上げと同じで資産が増えること自体が、レベル上げのように楽しいことです。
また、自分の娯楽にお金を使う機会がなくても、お金があることで、自分の子や応援する企業、団体に投資、寄付することができます。
お金はもっているだけで価値があります。
このように考えれば20〜40代をお金を貯めるだけに浪費したという発想にはまずならず、むしろ誘惑に負けず芯を貫いて資産を作ったことを誇りに思うでしょう。
FIREした人はFIREを目的にしていたわけじゃない
最後に本書の中身に少しだけ触れます。
本書で登場する方は、資産を作って早期にリタイアしたいという強い意志を30〜40代で実現した外れ値の人が多いです。
その一方で、自身の体調の不具合などにより、本業を継続できず、保険として資産を積み上げて仕事を退職した人も紹介されています。
また、ほとんどの人が何かしらの仕事をして、資産を持っていても仕事を続けています。
つまりFIはしているが、REはしていない状態ということです。
ということは、FIを目標にしなくても、本業の仕事から受けるストレスをコントロールできる範囲で少なくできれば、それだけで目標達成ということです。
また、寿命までは貯金が尽きることがない人でも、収入がなくなり、生活費のために資産が毎年減ることが強いストレスになると答えている人が多い印象でした。
FIREブームになってから10年近く経過し、FIRE後の人生についてまで、情報公開する人が増えました。
今でも、田舎移住、海外移住のテーマや、自分探し、自由気ままなフリーランスなど、忙しく働く人にとっては芝が青く見える瞬間はたくさんあります。
お金はあるに越したことはない。けれど運良くお金を貯めることができても、仕事を辞めたらその環境に慣れてしまい、退屈さや別のストレスがでてくる。
このように人間は天邪鬼な生き物のようです。
FIREできる、できないはあまり重要な話ではなく、生涯を通じて、色々なテーマに興味をもって
自分なりのやり方で、試行錯誤することが、一番楽しいことなのかな、と思いました。