シンプル都心ライフ

都内で働くITエンジニアの都心ライフ。主要キーワード:大学院/TOEIC/就活/都心ライフ/ホテル/SPG/米国株投資/副業

安定思考は悪くない。「ORIGINALS(オリジナルズ)アダムグラント」

f:id:steveperry1373:20230603081307j:image

タクミです。30代の都内で働く会社員です。

 

「Audible(オーディブル)」という「本の内容を音読して耳で学べるアプリ」の30日間無料体験を試しています。

 

その中で、今から7年前(2016年)に出版された「ORIGINALS(オリジナルズ)アダムグラント」の本が大変良かったのでブログに書きます。

 

一番印象に残ったのは「事業で成功している人は、実は思い切った行動をする前は慎重に準備していた」ということです。

 

 

安定思考は悪くない。「ORIGINALS(オリジナルズ)アダムグラント」

安定思考なのは日本人だから?

成功者というと「大胆にリスクをとり、思い切って行動する人」のイメージがあります。

 

しかし本書ではその逆の説を主張しています。

 

具体的には、アダムグラントという研究者が、さまざまな成功者の事例を調べたところ「大胆な行動をして成功している人でも、実は慎重に準備していた人が多い」ということを明らかにしています。

 

本書で登場する成功者は皆「外国人」です。

 

私は「日本人は安定思考な人が多く、外国人は大胆な人が多い」と仮説を立てていました。

 

しかし、実際には国籍関係なく「みな、安定した収入がなくなることを恐れている」ということでした。

 

「大きなリスクを取る」には「リスクを小さくする」必要がある

「いつかは独立して自分の力で稼ぎたい。でもリスクが取れなくて年齢だけが増えていく」

 

こんな悩みを抱えている人は多いと思います。私もその1人です。

 

例えば、「脱サラ」という言葉があります。安定して給与をもらえるサラリーマンを辞めて、ラーメン屋などで独立した人を指します。

 

開業するには1000万円程度の資金が必要です。

 

成功すれば2000万円〜5000万円以上の年間収入を得ることができますし、失敗すれば貯金0になる。

 

もし借金していれば、元のサラリーマン時代よりも給与が安く、労働環境も悪い場所で再雇用されて借金返済する。もしくは信用を売って自己破産する。

 

これでは「リスクが大きい」と感じますよね。

 

本書では、「思い切って会社を辞めるリスクを取るのではなく、十分に準備をした上で、成功する確率をギリギリまで高めてから起業する」という戦略をおすすめしています。

 

起業するリスクを取る人は?

起業する人はどんな人でしょうか。

 

「大企業や公務員の人」にとってみれば、20代はまだしも、30代〜40代になれば、リスクをとって組織を離れて独立する必要性は減ります。

 

それはなぜかというと・・

 

  • リストラのリスクも少なく
  • 年功序列で年収が増え
  • 年間130〜140日の休暇があり
  • 年収600万円〜900万円と高めで安定し
  • 世間体が良い

 

このように、高すぎる欲さえ持たなければ十分楽しい人生が送れるからです。

 

私の周りで会社を辞めて独立した人の特徴は・・

 

  1. 20代で独立している→給与が低く、下っ端で裁量がなく、雑務が多いので不満がある
  2. やりたいことを貫く→音楽が好きでプロになる(2名もいます!羨ましい。。)
  3. 社会貢献のため→稼ぎよりも、動物の保護など社会貢献を優先した起業。
  4. 元から働く必要がない→社歴のために数年働くが、実家が太くお金の心配がない
  5. 流行りに流される→ネットで見た情報を鵜呑みにして勝算なくフリーランス
  6. 仕事が激務で逃げるようにリタイア→勝算なくフリーランス

 

分類すると、「熱意があることをやりたい」「お金の心配がない」「現状から逃避する」の3パターンです。

 

「果敢にリスクをとりにいった人」というよりも、「労働条件が整っていない20代の段階で進路変更する」に近いのです。

 

この中で、2〜3の人は、私個人としては、「若くしてリスクをとって独立した人」のイメージがあります。

 

それでは、独立の成功確率を上げるにはどうすれば良いのでしょうか。

 

臆病なほど慎重に。ファーストペンギンにならなくて良い

本書では、「リスクを取るなら慎重に。ファーストペンギンにならなくて良い」と述べています。

 

ファーストペンギンというのは「最初に行動できる人」のことです。

 

市場がない状態で、今までにない新しいビジネスを展開したり、投資では皆がリスクを恐れて動けない間に、巨額の資金を投資して、莫大な利益を得ること、などが該当します。

 

一見、ファーストペンギンのように大胆に、最初に行動できる人は、それ以降に行動した人よりも成功するように思います。チャンスを一人勝ちできる可能性があるわけですからね。

 

しかし、実際には「最初に行動した人の失敗例から学び、市場が熟成するのをじっくり待ってから起業する」のように、「2番目以降に行動する」方が、起業の成功確率は何倍にも高くなるとのことです。

 

また、GoogleやAppleのように、今や世界一成功しているような起業でも、創業当初は、大学院で研究職として働けるようにしたり、大手IT企業の社員として起業するギリギリまで雇用をされているなど、「安定した生活」を続けることを意識していたようです。

 

つまり、なんとなくイメージ像にある「起業家はリスクを好んで安定を捨てる」というのは正しくなく、「起業家になる人は、起業がうまくいかないときのことを常に考えてリスクヘッジしている。安定した基盤があるから、思い切った起業ができる」ということです。

 

本書を読むと「起業のリスクをとれずに、安定した職を続けること」は恥ずかしいことでも、意気地なしな行為でもなく、「超有名企業を創業した人もやっていた当たり前の行動」ということになります。

 

こう考えると、リスクを恐れるのは当たり前のことと実感できて、少し心が楽になりました。

 

まとめ。「ORIGINALS(オリジナルズ)アダムグラント」を読んでみよう

「いつかは起業をしたい。でもリスクが怖くて行動ができない」

 

多くの人が悩んでいると思います。

 

本書を読むことで、「安定思考は世界共通であること」「成功者はギリギリまで安定した職をもらえる準備をしていること」がわかります。

 

ただ、一番重要なことは、「成功者は、しっかりと準備をしたうえで、最後には思い切って行動している」ということです。

 

単に準備をするだけで、なにも行動しない場合は、結局は後悔してしまうかもしれません。

 

しかし、本書を読むことで、「起業をしたいけどできない人は、もしかしたら準備が足りないのかも」と気づくことができると思います。

 

起業を焦らずに、まずは貯金を増やしたり、安定した職に戻れる準備をした上で、タイミングを慎重に伺いつつ、起業をする準備をしてみてはいかがでしょうか。