タクミです。
「最高の人生」というタイトルの本や映画はたくさんあります。
多くの人は「できれば最高に充実した人生にしたい」と願うものです。私もその一人です。
さて、それでは最高の人生とは何か、というと、大抵の映画や本では「最初はお金を稼いで破天荒に遊ぶものの、死に際になって家族、子供や孫などに看取られて死ぬ」という表現が多くされています。
これが本当に最高の人生であれば、多くの人も同じような体験ができそうです。
何も破天荒に遊ぶことが充実した人生になるとは限らないからです。
それよりも大事なのは「人生が右肩上がりであることを感じれるか」ということです。
愛読している本多静六さんの「私の財産告白」の中にも、同じ表現が出てきます。
右肩上がりとは、昨年の自分よりも今年の自分、未来の自分がより良くなっていると感じることです。
私なりに、どうすれば人生右肩上がりを常に感じることができるのかについて、考えてみました。
人生右肩上がりを常に感じるにはどうすればいいか
前提:人生一発当てただけでは幸せにならない
よくある人生一発あてて大金を稼ぐという話ですが、本多静六さんの言葉を引用すると、それは誤りのようです。
もちろん、一発も当てられず、お金がない状態よりは、お金が一時的にでもあったほうが良いのは間違いありません。
衣食住のクオリティを最低限保つことが、人生では重要だからです。それはお金があれば手に入ります。
それではシミュレーションしてみます。
例えば30歳で3億円の宝くじが当たったり、事業で成功して3億円以上の資産を得たとします。
3億円といえば、今や大企業社員の生涯賃金と言えるくらいの水準になりました。
それを30歳のうちに手にするのは、間違いなく成功者といえます。
1億円の家を購入して、2億円を60歳までに使い切るとして、残り30年間のために残しておきます。
2億円という大金があれば1年間で666万円まで使えます
2億円のうち、半分の1億円を5%で資産運用できれば、年間500万円が入りますから、税金支払い後には400万円が手元に残ります。
となると1年間で1000万円まで使うことができます。これは相当優雅な生活ですよね。
60歳以降の生活については、持ち家の家を1億円で販売すれば、残りの人生も安泰です。
このように30歳で3億円あれば、間違いなく仕事も何もしなくても衣食住に困らない安定した生涯を送れます。
それでは、この生活の問題点について考えてみます。
衣食住が満たされたら向上心がなくなる
この生活の問題点は「向上心がなくなる」ということです。
もし貯金0から22歳〜25歳で仕事を始めたとしたら、多くの人は「年収を増やそう」と考えます。
年収を増やすために、本を読んだり資格を取得したり、上司に気に入られようとしたり、ありとあらゆる手段をとりますよね。
日本では年功序列ですから、年齢が増えるに従って年収は上がります。
向上心があれば必ず出世できるわけではありませんが、少なくとも「自分が年々成長している」という実感を持てます。
これが人生に右肩上がりを感じるということです。
資格を取得することで将来の年収が増えるかもしれない。
貯金をコツコツやることで、資産運用を始めてもっと大きい資産を作れるかもしれない。
担当者のレベルから、課長、部長、役員のように、出世していくことができるかもしれない。
批判されがちな日本企業の年功序列ですが、右肩上がりを感じやすいというメリットがあります。
もし、30歳で3億円持っていたとします。
仕事をフルタイムでやっても年収は400万円だとします。
すでに1000万円以上のお金を1年間で使えるのに、年収400万円、手取り300万円強では、インパクトに欠けてしまいます。
フルタイムの仕事の他に、空き時間や休日に資格試験の勉強をしても、数年後に年収500万円になっても、手元の資産へのインパクトは少なく感じてしまいます。
これが貯金100万円程度の人であれば、年収100万円増えることは相当インパクトがあります。
衣食住のグレードを上げる楽しみを満喫できます。そして資格の勉強のおかげで年収が上がったわけですから、「スキル」「年収」「貯金」の全てが右肩上がりに感じるかもしれません。
この状態が「幸福を感じる」のだと思います。
30歳で3億円あることは素晴らしいです。しかし60歳までの30年間の間に、持っている3億円が右肩下がりになってしまうのが、幸福を感じにくい理由です。
仕事をしなければ年収というパロメーターもありません。資産は年々減っていきます。
仕事のための資格取得の必要がないため、365日ごろごろしていても誰も文句もいいませんので、勉強もしなくなり、脳が退化します。
30歳で3億円の資産を持っていても「スキル」「年収」「貯金」の全てが右肩下がりになっている状態では幸福と感じにくいということです。
人生右肩上がりを常に感じるには?
多くの人は私を含めて30歳で3億円も持っていません。
それでは人生右肩上がりを常に感じるにはどうすれば良いでしょうか。
まずは「仕事を継続すること」です。
多くの人に馴染みがあるのは「年収」です。年収は年功序列の企業に勤めていれば、年数と共に上がります。
年収が上がるのは楽しいです。「税金が増えて辛いよ」なんて口では言いますが、毎年の源泉徴収票の数値が増えているのを見るのは、達成感があります。
起業すれば会社員よりも稼げる可能性もありますが、起業家はうつ病のリスクが会社員より高いという点は押さえておきたいです。
最初の2〜3年だけ3000万円以上の年収が稼げたとしても、その後、稼げなくなれば、生涯賃金は1億円にも届きません。
また2000万円以上稼いでしまうと、税金も4割ほど持っていかれてしまうので、思ったほど手元に残りません。
年収600万円から800万円になった時に感じる税負担感と、年収600万円から年収2000万円になった時を比較すれば、後者の方が明らかに負担感は大きいでしょう。
もし会社員としても年収が低く、期待した以上に上がらないのであれば、起業に挑戦するのもありですが、もし大企業や公務員になれれば、年々、年収は上がりますので、起業するよりも簡単に、右肩上がりを実感することができます。
貯金は1円でも増やす
次に貯金です。できれば毎年1円でも昨年よりも資産を増やしたいところです。
とはいえ、人生には転職や失業、結婚式やマイホーム購入などの大型出費がありますから、毎年連続というのは難しいです。
1年単位で見ると貯金が減ってしまうこともあると思いますので、「3年単位」「5年単位」と読み替えて、貯金が右肩上がりになるように、お金の管理をしてみましょう。
貯金は増えていくのは楽しいです。私は社会人4年目までは資産が200万円未満で横ばいでしたが、それから3年で1000万円近くにまで増やせました。
年収をコントロールすることは難しくても、貯金額は自分でコントロールできます。
1円でも昨年より多くなるように意識しましょう。
読書は生涯の友
年収にしろ、貯金にしろ、人生のある時点から一気に右肩下がりになります。
それが「老後」です。仕事からリタイアすれば、当然収入は途絶え、貯金をすり減らす日々になります。
どんなに働きたいと本人が思ったとしても、65歳以上になった人を雇ってくれる業種は限られています。
理想的には作家や自営業など、手に職を持っていれば65歳以上も働き続けることができます。
しかし、そのようなものがない場合は、65歳で仕事から引退して、年金生活になるでしょう。
そこで読書が良いのではないかと思います。読書はどれだけ時間があっても世界中の本を読みきれないほど、たくさんの本があります。
他の趣味を極めるのも良いですが、本を読むことであれば図書館でいくらでも本を借りれるので、どんどん知識が身について楽しいと感じると思います。
年収を増やすため、資産を増やすための本ではなく、自分の知的好奇心の赴くままに好きなジャンル、挑戦したいジャンルの本を選んで読めばOKです。
現役時代は、どうしても仕事に直結する本を読みたくなります。そうすれば将来の年収や資産が増えるかもしれないからです。
しかし現役を引退したならば、好きなだけ自分の好きなジャンルの本を読むことができます。
私も今はビジネスやITなどの本が多いのですが、ゆくゆくは音楽や哲学などの本に没頭したいと思っています。
読書によって、知識が右肩上がりになります。記憶力は衰えても、知識は時間と共に増えていきます。
知識が増えると、普段見えている世界が変わって見えます。つまり自分の成長を感じられるわけです。
これなら、死ぬ直前まで知識を身につけたいという知的好奇心を満たせるようになります。
まとめ。一発逆転ではなく右肩上がりを意識する
今回の例は私タクミが考えた一例です。
肝心なのは「一発逆転」ではなく「なんでもいいから昨年よりも成長した感覚をもつ」ということです。
仕事は年収や貯金に結びつくのでわかりやすいですが、それ意外にも読書や映画、趣味を極める、というのでも良いと思います。
年収や貯金は、老後になれば嫌でも右肩下がりになります。
現役時代は、年収や貯金額をゲームのレベルアップと思って少しでも増やしていくことで楽しむことができます。
引退後は読書の冊数を増やしたり、新しい趣味に挑戦したりと、少しでも昨年と違うことにトライすると、生涯学習を実現できます。
私は31歳ですが、仕事では年々、年収が増え、資産も毎年増えています。
趣味については、ピアノで新しい曲をマスターしたり、新しいジャンルであるオペラ、バレエを見たり、マイナーなポーランドダンスを学んだりと、色々と挑戦しています。
本多静六さんは今の価値で100億円近い資産を気付き、晩年にはそのほとんどを寄付してしまいました。
そして「右肩上がりを感じるのが幸福」「天丼は最初の1杯がうまく、2杯買っても食い切れない」という今の時代でも通じる名言を書物に遺しています。
もしいきなり億万長者になったら、もしいきなり有名人になって影響力が出たら、と想像するのは楽しいですよね。
しかし、幸福になりたいということであれば、少しでも右肩上がりになる瞬間を実感できるようにすればよさそうです。
長い人生ですから、工夫して人生右肩上がりになるように考えてみてはいかがでしょうか。