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書評『お金の減らし方』が面白い。見栄にお金を使ってしまう人向けの本

タクミです。

 

今回は『お金の減らし方』という本を読み、大変面白かったので記事にします。

 

タイトルは特に意味はないのですが、本書の主張は「他人からどう見られるかにお金を使うのではなく、自分が欲しいものにお金を使うこと」というシンプルなものです。

 

シンプルな主張ながら、実際にやろうとしても難しいですよね。私も「自分が欲しいものにお金を使う」という意識は持っていても「自分が好きなこと=他人から良く思われる(かもしれないと妄想している)こと」にお金を使ってしまいます。

 

本書は、大学の教授という傍ら、バイト感覚で始めた小説でも成功を収めて、億万長者になった筆者の体験談を交えて、「お金の使い方」から「仕事の悩み」に至るまで、様々な観点から述べられています。

 

今回は、数々のエピソードの中から、私タクミが面白いと思ったポイントをまとめてみました。

 

 

 

書評『お金の減らし方』が面白い。見栄にお金を使ってしまう人向けの本

他人目線でなく、自分目線で欲しいものにお金を使う

ブランドショップで高額商品を買うのは、他人目線のお金の使い方です。

 

筆者は「自分の好きなものにお金を使うこと」を一貫して主張しています。

 

筆者の例で言えば、「家の庭に線路を引いて模型を走らせたい」という好きなことがあり、庭を広くしたり線路や模型を作るための道具を購入するためにお金を使っていたようです。

 

わかりやすく言えば「オタク趣味にお金を使う」ことが重要ということですね。

 

その反対に、「他人目線で見て価値があるもの」というのは「リセールバリューが高いもの」と言えます。つまり、「買った値段から値下がりが少ない状態で売れるもの」ということです。

 

お金の面だけで言えば、「他人目線で見て価値があるもの」にお金を使う方が良さそうです。他人から評価されるかもしれないし、売ろうとしても簡単に高値で売れるからです。

 

エルメスのロゴが付いていれば、1万円のボディソープも買いたくなりますし、ベンツのロゴが入ったタオルは、今治タオルよりも大切に使いたくなります。

 

私は、まさに「他人目線のお金の使い方」が主流でした。ブランドものであればなんでも買おうと思い、「ルイヴィトン」「プラダ」「アルマーニ」「ジョンロブ」「カルティエ」などなど、自分のお金で買えるハイブランドの商品を買っていました。

 

ベッドは「シモンズ」、家は「タワーマンション」、食材は「成城石井」など、どれも「その分野で格が高いもの」にお金を払ってきました。

 

逆に「オタク趣味」という意味では、何に使っているか思い出せないくらいです。強いていえば、文章を読むのが好きなので「書籍代」や「ビジネスのコラム」にたまに課金したり、「ヒルズライブラリー」など、アカデミックな環境にお金を使うくらいでしょうか。

 

本書を読んで、「自分が本当に好きなものは何なのか」をあらためて考え直したいと思いました。

 

お金を確実に増やす方法は「働くこと」

著者は「お金を確実に増やす方法は働くことだ」と述べています。これも真っ当なことですね。

 

著者は大学の研究者として、1日10時間を超える労働(土日も出勤)を長年続けていたようです。

 

そんな環境でもできるバイトとして、小説を書いたところ、映画化されたことで印税が入ってきたとのこと。そんな数億円の資産がある状態でも、大学の研究は続けていたようです。

 

今流行りの「セミリタイア」「FIRE」とはほど遠い価値観ですね。せっかくお金が稼げる環境があるなら働いてお金を稼ぐ。そして、「お金を増やそうとしない」ことを意識しているようです。

 

筆者は「FX」「仮想通貨」「ギャンブル」など、楽して短期間でお金を増やそうとすると、簡単にお金を減らすことができると述べています。

 

お金のセミナーなども、昔は稼げたノウハウを教えているだけ(今は儲からない)のことが大半で、結局は主催者側が儲かるシステムです。これには私も同意します。

 

  • お金を増やすには真面目に働く
  • 給与の良い仕事は退屈で人がやりたがらないこと
  • 給与の良い仕事に就くには、勉強すること(学歴が必要)
  • お金を増やそうとすると、お金が減る(美味しい話はない)

 

耳の痛い話もありますが、勉強もせず、真面目に働かず、仕事にやりがいばかりを求め、楽してお金を増やそうとすると、結果としてお金は減るということになるようです。

 

周囲からの評価はお金では買えない

著者は周囲からの評価はお金では買えないと述べています。

 

  • 素敵な恋人が欲しい
  • 有名人、アイドル、小説家になりたい
  • 会社で出世したい

 

このようなものは、お金をいくら持っていても「他人からの評価」であるので、自分の力やお金を使ってどうこうできるものではない、とのことです。

 

確かに、これは私の実体験ですが、いくらハイブランドのアイテムを持っていても、タワーマンションに住んでみても、思ったほど他人は自分に興味をもってくれないものです。

 

「シャツかわいいね」と言われたことがありますが、「イタリア製の3万円の服」ではなく、「ユニクロの4000円のシャツ」に対してですし、ジョンロブの14万円のスニーカーについては、両親からは「もっとちゃんとした靴履けば?」と言われています笑

 

結局は他人からの評価を得ようとしても、お金では限界があるということです。

 

それならば、他人の目を気にせず、自分のオタク趣味にお金を使った方が良い、というのが筆者の主張です。

 

価値のあるものは価値がわかる人にしか売られない

筆者は、物流についても本書で触れています。

 

例えば、食材一つとっても、もっとも品質の良いものは有名な料亭にいき、次に良いものは、お金持ちに販売され、売れ残ったものが一般的なスーパーに陳列される、ということです。

 

つまり、近所のスーパーの中で数百円の価格の違いで、うんうん迷っていても、スーパーにあるものの中に品質が良いものは出回っていない、つまり「お金があっても買えない」ということになります。

 

私の経験でも、例えば「フォアグラ」が食べたいと思ったら、ミシュランのフレンチに行けば、高品質なものが食べられますし、海老やうにも、やはり高級レストランに行かないと味わえません。

 

例外的に築地や金沢などの現地に行けば、新鮮な魚介類は比較的安く食べられますが、それでも海鮮丼で3,000〜5,000円だったりと、一般的な感覚からすると、かなり高額な価格帯になります。

 

クアラルンプールの「すしさいとう」の大将からは、「ネタは築地から空輸している。ダメになるものは排除している」と聞いたことがあります。一流のものは一流のレストランに流れており、さらに一流の職人によって選別されて、お客に提供されるわけです。

 

www.takumoney.com

 

当時28歳の私には「こだわりはわかるけど、少し高いな」と感じたのですが、それは単に当時の私が「価格の違いをわかる客ではなかった」ということです。

 

日本に帰国以降は、1000円以下の立ち食い寿司が好きで「うまいうまい」言いながら食べているのですが、結局「お金を使った金額が高ければ高いほど満足度は高くなる」ということはなく、「自分に合ったもの、納得のいくものが満足度が高くなる」ということを学びました。

 

そのため、テレビやインスタなどで、派手な有名人が紹介する100万円以上のジュエリーやブランド、腕時計、車などを見て、「自分には買えない」と自己肯定感を下げる必要はなく「自分が価値があると思わない限りは、お金を使う必要はない」ということになります。

 

私のブログでも、おすすめ商品を紹介していますが、それは「私にとっては買って良かった」ものであり、読者の方全てにおすすめなわけではありません。

 

結局のところ、「何にお金を使うと自分は満足するのか」をしっかり考え抜いて、たとえそれが「他人から見て理解されないもの」であったとしても、自分が満足できればそれで良いわけです。

 

まとめ。『お金の減らし方』を読んで、あなたにとって好きなものを考え直してみよう

本書は非常に読みやすく面白い本でした。

 

今回ブログで紹介したのはほんの一部です。それも私タクミの体験を多く書いてしまい、著者のことは簡単にしか書いていないので、しっかりと読んでみたい、という方は、ぜひ本書を読んでみてください。

 

私が感じたのは、「著者は変わり者」ということです。自分の好きなものは模型でもなんでも買うけど、その分、食費を減らすし、それを家族にも求めるような人です。

 

そして「出世」や「他人が自分をどう評価するか」という「承認欲求」は、限りなく薄い方なのかなと思いました。

 

私もそうですが、一般的には「承認欲求」を満たすために、お金を使うことが大半だと思います。そのため、いきなり著者のようなお金の使い方は難しいですし、おすすめもできません。

 

ただ、「自分の本当に欲しいものを理解して、借金をせずにお金を使う」という、ごくごくありふれたことが、人生を生きる上で、やりにくくなっている人は多いと思います。

 

それは、人間は一人ではなく「社会的な生き物」なので、職場や家族、趣味友などのコミュニティの中で、常に他人軸で生きる必要があるからだ、と私は思います。

 

個性を発揮しても、コミュニティから見れば「異質」に感じるわけです。

 

それで、お金の使い方という個人的な行動についても「他人から見て恥ずかしくないように」という基準になってしまい、給与水準からは到底購入できない車や家をローンで購入してしまったりします。それも「中古」ではなく「新品」にこだわったりします。

 

私自身も、見事に「他人から評価されそうなこと」に対してお金を使ってきた自負があります笑。

 

他人から評価されるものを買うデメリットは「終わりがない」ということです。

 

プラダの財布を7万円で奮発して買った途端に、60万円のエルメスの財布が目に入り、家賃15万円のタワーマンションに住んだ途端に、家賃30万円以上のタワーマンションの高層階や、低層マンションのハイグレードなマンションに住みたくなります。

 

その一方で、収入はいきなりは増えません。年収400万円だった人が、1年後に600万円になるのは難しいですし、期間を伸ばして、30歳で年収300万円の人が、40歳までに年収1000万円にするのも、通常のやり方では難しいでしょう。

 

収入、資産を短期間で増やそうとすると、怪しげな情報を捕まえて、キャリアを台無しにしたり、貯金を減らす(思いもせず、お金を減らす方法です)ことになります。

 

それよりは、本当に欲しいものを考え直す方が良さそうです。とはいえ、人によっては本当に欲しいものにお金がかかるパターンもありますが、仮に買えないくらいの金額であっても、好きなものを買うために努力する、というのは魅力的なことだと私は思います。

 

私個人としても、お金の使い方は「他人目線」が強い傾向にある、と本書を読んで理解できましたので、改めて「何にお金を使ったら満足度が高いのか」を考え直そうと思います。

 

本書は本当に面白い本です。ぜひ本ブログを読んで終わりではなく、じっくりと著者の考えに向き合ってみてはいかがでしょうか。